8月1日(水)2018明治安田生命J1リーグ 第19節
セレッソ大阪 - ヴィッセル神戸 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 FIFAワールドカップロシアによる中断期間が明けた7月のリーグ戦は、延期分も含めて2分2敗と未勝利に終わったセレッソ大阪。クラブ史上、リーグ戦における最多勝点を獲得した昨季も9月にリーグ戦3連敗を喫した時期もあり、長いシーズン、そのすべてがうまくいくことはないのだが、それにしても、この嫌な流れは少しでも早く断ち切りたいところ。8月の初戦、ホームで迎える今節のヴィッセル神戸戦を、攻勢に転じる最初の試合にしたい。

 毎節、試合前には相手の分析映像も見ながら試合に向けたミーティングが行われているセレッソだが、今節に向けてのそれは普段の倍近くの時間に及んだ。「もう1回、ピッチでなにをするべきなのかを確認しました。グラウンドの中で、各自持っている考えが違うので、それを統一させる必要がありました」とミーティング内容について語ったのは尹晶煥監督。

「そんな深刻な感じではないですよ(笑)」。そう記者をけん制しつつ、「尹さんを中心に、選手みんなでやるべきことを確認しました」とミーティングについて話したのは山村和也。その狙いについて、より詳細に語ってくれたのは水沼宏太だ。「みんなで意思統一をしました。今、勝てていない中、共通意識を持つだけでも変わってくると思う。もちろん、それだけで勝てるとは限らないけど、勝ちに近づくための最善の準備はできたと思います」

 前節、柿谷曜一朗が復帰を果たし、清武弘嗣もすでに全体練習に合流している。役者は揃っただけに、あとはピッチで見せるサッカーにおいて、“ユン・セレッソ”のスタンダードを取り戻せるかどうか。今節はセレッソの真価が問われる一戦となる。

 現在、勝点28で並んでいる神戸とは、0-2で敗れた第4節 以来の対戦となる。今夏に加入したアンドレス イニエスタは前節後に一時帰国したため今節は欠場が濃厚だが、ウェリントンや渡邉千真、田中順也ら強力なFW陣は揃っているだけに、セレッソとしては相手のクロス攻撃やカウンターには十分警戒したい。

 前節のベガルタ仙台戦 は、敗色濃厚の中、試合終了直前に丸橋祐介が劇的な同点弾を決め、セレッソは連敗を免れた。「追いついて帰ってくるのは気持ちも全然違う」とはキャプテンの山口蛍。1つの得点が、1つの勝利がチーム全体に勇気を与え、現状を力強く変えていくことは紛れもない事実。チームとしてこの苦境を乗り越え、前向きな気持ちを取り戻すために、今節はどうしても勝利が欲しい。

 リーグ戦におけるキンチョウスタジアムでの試合は、4月末に行われた第10節・仙台戦 以来となる。今シーズン後に改修工事に入るため、現在の姿で行われる“聖地”でのリーグ戦は今節を含めて残り3試合。後世に語り継がれるすばらしい試合がまた1つ、刻まれることを願ってやまない。

文・小田尚史