5月8日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 第5節
名古屋グランパス - セレッソ大阪 (19:30KICK OFF/パロ瑞穂)
試合写真・コメントなど チケット
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 JリーグYBCルヴァンカップの前節・ヴィッセル神戸戦ですばらしい軌道を描いた見事なドライブシュートを決めてチームを勝利に導いた田中亜土夢は、試合後、「ルヴァンカップに出ている選手はリーグ戦での出番が少ないけど、『ここで勝利すればチャンスが広がる』という話を試合前とハーフタイムの円陣で確認し合いました」と話したが、リーグ戦の前節・松本山雅FC戦で、その言葉は現実のものになる。ブルーノ メンデス、水沼宏太、奥埜博亮、藤田直之、瀬古歩夢といった直近のルヴァンカップを連勝する原動力となった選手たちがリーグ戦でも先発に名を連ね、2-0の勝利に大きく貢献した。

「松本戦の結果で、ますますチームの雰囲気は良くなりました」と福満隆貴も証言するように、チームの一体感が増したことは間違いない。「練習からしっかりやれば、チャンスは来る」(福満)という気持ちを選手一人ひとりが改めて持つことにもつながった。今節の名古屋グランパス戦も、「出た選手が結果を残していけば、チームの相乗効果につながる」と山下達也は話す。

 その名古屋とは、ホームで戦った第3節は3-0で快勝を収めた。序盤からアグレッシブなプレスで相手を追い込み効果的に得点を重ねると、後半には、来季加入が内定している2種登録の西川潤のアシストから福満がネットを揺らし、勝負を決めた。

 そういった良いイメージが残る相手だが、名古屋にしてみれば、負けたままでは終われないはず。借りを返すべく強い気持ちで今節に挑んでくることは明白であり、相手のホームに乗り込む形となるセレッソとしては、前回よりも厳しい展開が待ち受けているだろう。アグレッシブな姿勢は継続しつつ、勝利を掴むためには我慢する時間帯はしっかりと耐え、訪れたチャンスを仕留める強かさが求められる。

 今節は、セレッソにとって、勝てば無条件でプレーオフステージ進出が決まる重要な一戦。「戦いのステージを広げていけば、その分、チームも選手もチャンスは広がる」と山下も話すように、グループステージを突破することで、チームとしてはタイトルに近づき、選手としてもアピールの場が広がる。「(ルヴァンカップの)前節の神戸戦と比べれば、今節は選手の入れ替えはあるでしょう。そこでプレーを証明すれば、またリーグ戦にもつながります」とはロティーナ監督。チーム内での競争をより活発にするためにも、直近のルヴァンカップの2試合と同様、プレーする選手たちの奮起が求められる。

 “奪還”へ向けて歩みを進めるためにも、チームのさらなる成長へつなげるためにも、“リベンジ”に燃える相手を返り討ちにし、グループステージ突破を果たしたい一戦だ。

文・小田尚史