7月10日(水)第99回天皇杯 2回戦
セレッソ大阪 - アルテリーヴォ和歌山 (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 明治安田生命J1リーグ戦、JリーグYBCルヴァンカップと並ぶ国内3大タイトルの1つである天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会。セレッソ大阪にとっての初戦、第99回天皇杯2回戦が10日に行われる。

 直近のリーグ戦では10試合で6勝2分2敗と好調を維持しているセレッソ。この間、失点はわずかに4で、7試合で無失点。守備の堅さをベースに、ロティーナ流のポジショナルサッカーも浸透し始めている。さらなる成熟と上位を目指すシーズン後半戦。迎える天皇杯も、タイトルが懸かった大会とあって、当然、士気は高い。

 リーグ戦の間に挟まれた一戦とあって、メンバー構成も注目の1つ。ルヴァンカップでもプレーしていた高木俊幸や田中亜土夢ら普段のリーグ戦でもベンチに入っている選手たちのアピールも求められるが、U-23の若手選手たちにとっても、この試合はチャンス。ここのところトップチームに帯同し、リーグ戦でもベンチに入る機会が増えてきた山田寛人は、その筆頭格。「今は試合に飢えている状態。いつでも試合に出られる準備はしているし、得点という結果を出したい。結果を出すことで、もっと上を目指したい」とギラギラした野心をのぞかせる。

 直近のJ3第15節・カマタマーレ讃岐戦で2アシストを決めて逆転勝利に貢献した安藤瑞季からも、試合への意欲がヒシヒシと伝わってくる。「試合に出たら点を取りたい。絶対に取る。コンディションもいい。ワクワクしているし、点を決めてチームの勝利に貢献したい」と準備万端の状態でこの試合を迎える。

 対戦相手のアルテリーヴォ和歌山は、関西リーグ1部に所属し、来季のJFL昇格を目指して奮闘を続けているアマチュアチーム。リーグ戦では現在7試合を終えて3勝1分3敗の勝点10で4位。天皇杯1回戦では佐賀県代表の佐賀LIXIL FCを3-0で下し、2回戦にコマを進めてきた。プロと対戦できる機会は限られているだけに、この一戦に高いモチベーションで挑んでくるだろう。

 試合のポイントは、まずはそういった試合に臨む気持ちの部分で負けないことを前提に、守備でのリスク管理と先制点だろう。ボール支配ではセレッソが上回る可能性が高いだけに、相手の攻撃は必然的にカウンターになる。セレッソとしては攻めている時も背後へのケアは怠らず、「チャレンジ&カバーを大切に」(片山瑛一)試合を進めていきたい。
 その上で、やはりカギを握るのは先制点。相手の気持ちを乗せてしまうと難しい展開にもなってしまうだけに、「早い時間帯に先制点を決めて、精神的に優位に立つことが大事」(高木)になる。

 もっとも、どういった展開になろうとも、勝ち上がればOKなのが一発勝負のトーナメントでもある。仮に無得点の時間が長くなったとしても、慌てることなく、「今までやってきたことを出せれば問題ない」(田中)。J1クラブとしてのプライドは持ちながらも、良い意味で普段通りのメンタルも保って試合に臨み、攻守に力を発揮したい一戦だ。

文・小田尚史