9月1日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第25節
セレッソ大阪 - 川崎フロンターレ (18:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 公式戦3連勝と意気上がるセレッソ大阪。前節・ジュビロ磐田戦 では、リーグ戦4試合ぶりに無失点も達成。無失点は、今季のリーグ戦の半分にあたる12度目であり、守備の安定感はリーグ随一だ。攻撃陣も、2試合連続で2得点。奥埜博亮、丸橋祐介、水沼宏太と様々なところから点が取れていることはプラス材料であり、ブルーノ メンデスや鈴木孝司といったFW陣のゴールも待たれるところだ。

 そんな攻守ともに好調な一方、28日の練習中に清武弘嗣が負傷離脱するアクシデントが発生。試合前日の31日、「右ハムストリング筋損傷による全治8〜10週間」という診断結果が公式に発表 された。攻撃にアクセントを付ける存在として唯一無二の存在感を放ってきた選手なだけに、その離脱の影響はあまりにも大きい。今季はここまで練習での負荷も調整し、フィジカルコーチやトレーナーとともに細心の注意を払って自らの体と向き合ってきただけに、清武本人はもちろん、チームにとってもショックは大きいだろう。それでも、柿谷曜一朗や田中亜土夢、鈴木ら攻撃陣の選手たちは、いつ出番が来てもいいように日々の練習に励んでおり、今こそチーム一丸で戦いに挑むとき。今節、誰がどのように清武の穴を埋めるか。ロティーナ監督の采配が注目される。

 現在、チームはリーグ戦2連勝で勝点を37(6位)まで伸ばしてきた。今節、対戦する川崎フロンターレ(4位)との勝点差はわずかに「4」(順位表)。勝てばさらに上位に肉薄でき、目標とするACL出場圏内にも近づく。「上位に食らい付くためにも、残り10試合、最終節まで勢いを持って戦うためにも、大事な試合。この試合の結果次第で最終的な順位が決まると言っても過言ではない。そういう(位置付けの)試合だと思う」と水沼宏太は今節の持つ重要性を語る。

J1に復帰した2017年以降、セレッソは“鬼木フロンターレ”に対して公式戦5勝1分1敗と相性は良い。相手のストロングポイントを熟知した上で守備でしっかりとブロックを作り、カウンターを効果的に決めて得点を重ねる戦い方が“必勝パターン”にもなってきた。
 ただし、過去の成績が今節の結果を約束してくれるものではない。「クオリティーの高いチーム」(ロティーナ監督)を相手に、今節も「注意深く、アラートに対応し続けないといけない」(レアンドロ デサバト)ことは間違いない。
 その上で、今季は安定したボール保持にも取り組み、試合を重ねるごとに意図した攻撃が形になって表れる場面も増えてきた。だからこそ、「自分たちが取り組んできたことを出していきたいし、自分たちがどれだけボールを握れるかも大事」と水沼は、リアクションだけではない、能動的に相手に立ち向かう姿勢の大切さも強調する。 

 ロティーナ監督が就任した今季。緻密さが増した守備で試合を作ることは当然、大事になる。その上で、セレッソが試合を支配する時間帯も作れるはず。そうした攻守における自分たちの強みを発揮すれば、リーグ連覇中の相手とは言え、セレッソにも十分勝機はあるだろう。さらなる上位進出へ。そして、「今季初の3連勝へ」誰よりも今節に懸けていた清武キャプテンに勝利を届けるため。チーム、サポーターが一体となって挑む“必勝戦”となる。

文・小田尚史