9月28日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第27節
セレッソ大阪 - ガンバ大阪 (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 迎えるリーグ戦38回目の大阪ダービー。これまで幾多の歴史を紡いできた大阪の覇権を懸けた戦いが、今節、ヤンマースタジアム長居にて行われる。

 現在、セレッソはリーグ戦4連勝中。9月に入り、前回対戦時は勝てなかった川崎フロンターレ 浦和レッズ からも勝利。「日を追うごとに選手たちは快適にプレーできている」とロティーナ監督も話すように、日々のトレーニングの成果が実になり始め、チームに確かな力が備わってきた。さらに、この2試合は、先制後、1度は追いつかれながらも突き放す底力を発揮しており、決勝点はいずれも途中出場の鈴木孝司に田中亜土夢。控え選手も含めた総力で勝利したことで、“チーム一丸”の雰囲気は増している。

 もっとも、ガンバ大阪との戦いが一筋縄ではいかないことは、過去の対戦成績が物語っており、セレッソの選手たちに“慢心”の2文字が入り込む隙はない。柿谷曜一朗、丸橋祐介、キム ジンヒョンら、セレッソ在籍歴が長い選手たちほど、慎重に言葉を選び、努めて冷静に、今回の一戦を迎えようとしている。

「34分の1試合であることに変わりはないので、目の前の試合に全力で戦うスタンスは変わらないけど、やっぱりサポーターのために、クラブのためにという思いは自然と入る一戦。そういう意味での楽しさや難しさは、いつもとは違う」
 大阪ダービーについて、そう言葉を紡いだのは、今季からセレッソに加入した藤田直之。大阪ダービー初体験となった前回対戦時を振り返り、「スタジアムのバス入りから、サポーターがとてもいい雰囲気を作ってくれた。今回は、そういったサポーターのためにも勝ちたい」とリベンジを誓う。

 その前回対戦 時は、[3-5-2]とシステムを変えて臨んできた相手の前に後手を踏み、後半は対策を取るも、逆に隙を作る結果となった。「終始、自分たちのペースで試合ができなかった」(藤田)反省も踏まえて臨む今節は、これまで積み重ねてきたロティーナ監督のサッカーをしっかりと発揮し、試合をコントロールしていくことが肝要だ。 

 攻撃では、数的優位の局面も作りつつボールを保持し、相手の守備を動かし、隙を突いていきたい。守備では、遠藤保仁に気持ちよく配球させないこと、そしてパトリックや宇佐美貴史ら一発がある選手が並ぶガンバの攻撃陣をできるだけ自陣ペナルティーエリアから遠ざけることが大事になる。
 前回は、後半に入り、倉田秋に中央のスペースを突かれたが、展開がオープンになりがちな後半の戦いは、今節も勝負を分けるポイントになりそうだ。

 リーグ戦では8試合未勝利(3分5敗)が続くガンバとの一戦。これは事実として認めざるを得ない。ただし、セレッソがJ1に復帰した2017年と18年、そして今季もここまでは、リーグ全体の順位としては常にセレッソがガンバを上回っていることも事実。臆することはない。現状の持てる力をぶつけ、さらなる上位進出へ向け、リーグ戦5連勝を達成したい一戦だ。

文・小田尚史