10月6日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第28節
セレッソ大阪 - 鹿島アントラーズ (15:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 7年半ぶりのリーグ戦勝利となった前節の大阪ダービー から1週間。再び舞台はヤンマースタジアム長居、今節迎える相手は2位の鹿島アントラーズ。
 リーグ戦5連勝と波に乗るセレッソ大阪の前に現れた、最大の難関と言っていいだろう。今季、鹿島はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)、J1リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と4つの大会を並行して戦い、ACLこそアウェイゴールの差により準々決勝で敗退したが、国内3冠の可能性を残している。昨季は同じ立場でシーズンに挑んだセレッソとしては、その大変さは十分に理解しているだけに、素直にリスペクトの気持ちが湧くことは確か。

 ただし、そういった誰もが認める強敵だからこそ、「勝ったときのメリットも大きい」(ロティーナ監督)。ここで鹿島を破ってリーグ戦6連勝を達成できれば、残りのシーズンにより弾みが付くことは間違いない。そして、そのための準備も着々と進めている。今週は、5日間の練習のうち3日間が非公開。公開日の2日間は戦術的なメニューはほぼなく、手の内を明かさず鹿島対策を進めてきた。

 選手たちの表情からは、今節に臨む上での特別な高揚感というよりも、地に足の付いた自信、落ち着きが感じられる。宿敵・ガンバ大阪を破っての5連勝にも浮かれた様子は見られない。前節、試合を決定付ける3点目を決めた水沼宏太は、「今は、勝つために何ができるか選手1人ひとりが考えながらプレーできている。いつもどおり自分たちが準備したことをピッチで表現することが一番」と話し、“継続”する大切さを説く。
 チームをオーガナイズする藤田直之も、「僕たちは今、やっていることが形になってきているので、それをしっかり出せれば十分に勝機はある。決めるべきところで決めて、体を張るところで張って、無駄なファウルはしないという、今までやってきたことをしっかりできれば勝てると思う」と今節を見据える。

 9月は、前回対戦時は勝てなかった川崎フロンターレ、浦和レッズ 、ガンバを立て続けに破り、チームの成長を結果で示してみせた。もっとも、ここで歩みを止めるつもりはない。前節、リーグ戦では第8節の清水エスパルス戦(4月20日)以来の先発となったソウザは話す。
「仲間がケガしたことは悲しいけど、サッカーにケガは付きもの。自分も試合に出るための準備はしていた。彼(レアンドロ デサバト)のためにも戦う。チームの調子はいいので、さらに上位を目指していきたい」

 前半はすばらしい内容を披露した一方で得点が奪えず、後半にPKと自分たちのミスから2失点を喫して敗れた鹿島との前回対戦時は、今季これまでの敗戦の中でも最も悔しかった試合の1つ。今節も1点を争う競った展開になると思われるが、チーム状態が上がってきた今こそ、ホームで鹿島の壁を乗り越え、リーグ戦6連勝を果たし、さらなる上昇気流に乗っていきたい。

文・小田尚史