11月10日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第32節
セレッソ大阪 - 川崎フロンターレ (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 6日に行われた、台風の影響により延期となっていた第28節・名古屋グランパス戦 。セレッソ大阪にとって現在のキンチョウスタジアムで行われる最後の一戦となったが、前半に訪れた決定機を生かせずにいると、後半に入り、53分に失点。最後までこの1点が重く、0-1で敗れ、第31節・鹿島アントラーズ戦 を含め、今季初のリーグ連敗となった。

 そういった状況の中、今節でホームに迎える相手は川崎フロンターレ。昨季のリーグ王者である川崎Fは、ACLと並行しての戦いとなったシーズン序盤こそ突き抜け切れずにいたが、夏場以降は快調に勝利を重ねてサンフレッチェ広島を追い抜き、今節で優勝が決まるシチュエーションを作り上げた。

「完成しているチーム。攻撃というスタイルがある中で、守備もしっかりできる。得失点を見ても断トツなので、(自分たちより)上の相手であることは認めざるを得ない」。今の川崎Fについてそう語るのは、かつて川崎Fで主力としてプレーした田中裕介。もっとも、「そんなことばかり言っても仕方がない。相手は(連覇が懸かる)プレッシャーもあると思う。僕らがしっかり守って先制点を取れば、勝機はある」と続け、川崎Fの優勝阻止へ、チーム一体の姿勢で戦う重要性を話した。

 セレッソとして避けたいのは、早い時間帯での失点。昨季、リーグ優勝したことで、川崎Fは一つ殻を破ったとは言え、連覇が懸かった試合の重圧は多少なりともあるだろう。早い時間帯での失点は、そういった相手の心理を解きほぐしてしまうことにもつながる。失点ゼロで進める時間帯をできるだけ伸ばし、ジリジリとした展開に持ち込みたい。
 もっとも、ただ引くだけでは相手の攻撃力を引き出す結果にもつながるだけに、前線からしっかりとボールの出どころにはプレッシャーをかけ、ディフェンスラインのプッシュアップも含めたチーム全体のコンパクトさは維持したい。

「川崎Fは個が強いし、攻撃で1人ではがせる選手も多い。自分たちは守備でしんどい時間もあると思うけど、全員で攻撃して全員で守備をする、そういった戦い方を貫きたい」
 今節のセレッソがやるべき方向性について具体的に語ったのは山下達也。今季のリーグ戦開幕前に、FUJI XEROX SUPER CUP では内容も伴った形で川崎Fから勝利を挙げたセレッソだが、「あの時とはまた状況も違うし、自分たちが勝つためには何がベストなのかということを突き詰めて戦いたい」と、山口蛍も今節を見据える。

 連覇を目前にした首位・川崎F相手にきれいなサッカーはいらない。ただ勝つために、1人ひとりがやるべきことを徹底できるかどうか。名古屋戦の85分に途中出場し、限られた時間の中でも戦う姿勢を出し続けた福満隆貴のプレーに、ヒントはある。「時間は短かったとは言え、ピッチに出たわけで、最後の笛が鳴るまで何が起こるかわからないのがサッカー。下を向いていても雰囲気は良くならない。後から出た自分はフレッシュでもあったし、最後まであきらめない姿勢を見せたかった」。

 ホーム、ヤンマースタジアム長居で川崎Fに歓喜の瞬間を迎えさせるわけにはいかない。意思統一された試合運び。球際で戦う姿勢。現状で持てる力を出し尽くし、連敗を2で止めるとともに、首位を破るビッグゲームを演じたい。

文・小田尚史