11月24日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第33節
セレッソ大阪 - 柏レイソル (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 昨季の天皇杯王者として臨んだ「2018FUJI XEROX SUPER CUP」を皮切りに、ここまで公式戦45試合を戦ってきたセレッソ大阪。46試合目となる今節の柏レイソル戦は、今季のリーグホーム最終戦であり、19日に今季限りでの退任が発表された尹晶煥監督がセレッソで指揮を執るホームラストマッチとなる。

 前節 、セレッソはリーグ連覇を果たした川崎フロンターレに2-1で勝利。勝点を47に伸ばした。残り2試合、数字上は3位から13位まで変動する可能性がある。ここまでリーグ戦では上位をキープし続けたセレッソにとって、ここからの2試合をどう戦い、どういった形で今季を終えるかは非常に重要だ。

 負ければJ2降格が決まる柏は、勝利に向けてモチベーションがハッキリしているが、今季のホーム最終戦、尹晶煥監督のホームラストマッチ、1つでも上の順位を目指すため、セレッソにとっても、今節は勝ちたい理由が揃っている。
 今節を前に、「尹さんになってからの2年間で積み上げてきたことを出したいし、何より勝ちたい。全員でしっかり戦って、尹さんが築いてくれたサッカーで勝って、しっかり送り出してあげることができたらいい」と話したのは、キャプテンの山口蛍。「来年につなげるためにも連勝したいし、『やれるぞ』というところをサポーターに見せないといけない」と強い意気込みを示したのは、今週の紅白戦でも大きな声でチームを鼓舞していた山下達也。

 追い込まれた柏は、ここに来て今季2度目の監督交代に踏み切り、メンタルを一新している。戦い方も整備して臨んでくることが予想され、ある意味、これまでの試合は過去のものとして、今節に懸けてくるだろう。言うなれば、セレッソが過去にJ1昇格プレーオフに臨む前の状態と似ている。“一戦必勝”の精神をしっかりと持てば、本来はタレントも揃っており、下位に低迷するチームではない。ドリブルやクロスもJ1上位の数値を残しており、前節の川崎Fとはまた違った攻撃の怖さがある。
 セレッソとしては、そういった相手の強い気持ちに押されないこと、そして前半を我慢強く守ることが大切か。前節の川崎Fとは置かれた状況こそ違うが、柏も無得点の時間が続けば、「勝たないといけない」といった焦りの色が出てくることは同じだろう。もちろん、セレッソが早い時間帯に先制できればベストだが、0-0でも慌てず、90分の中で相手を仕留める意識を持って戦いたい。

 尹晶煥監督について話を戻すと、やはり昨季の2冠という結果は、今後も色褪せない記録と記憶としてクラブ史に刻まれ続けていくだろう。「タイトルを獲った時の気持ちや光景は、サッカー選手としての財産。間違いなく、尹さんの下で成長できた部分はたくさんあるし、僕は感謝しています」と話したのは水沼宏太。
「サッカー界、監督交代はよくあることだけど、よくあることで済ませてはいけないとも思う。昨季からプラスして積み上げることができなかったことは、選手1人ひとりが考えないといけない。もちろん、監督、スタッフ、選手全員の力が足りなかったのだけど、試合に出てプレーしていた選手たちが結果を出せなかった責任を感じないといけない」とも水沼は続けた。

 尹晶煥監督のホームラストマッチを勝利で飾りたいセレッソ。岩瀬健監督の初陣で勝利を掴み、J1残留の望みをつなげたい柏。それぞれの想いが交錯する緊迫感にあふれた試合になりそうな今節だが、クラブ、尹晶煥監督にとって今季の締めくくりであると同時に、新たな出発でもあるセレッソとしても、勝利は絶対に譲れない。

文・小田尚史