12月4日(日)2016 J1昇格プレーオフ決勝
セレッソ大阪 1-0 ファジアーノ岡山 (15:37/金鳥スタ/17,086人)
試合写真・コメントなど
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●大熊清監督(セレッソ)
「まず、雨のなか、本当に多くのファン、サポーターの方に来ていただき、また、セレッソに携わるすべての方々に、感謝を申し上げたいと思います。そういう力が最後になって、やりたいサッカーができたというか、非常に攻守に充実した、かつ、球際(の強さ)、(攻守の)切り替え(の速さ)を含めて、セレッソ本来の目指すべきサッカーができたのかなと思います。ただ、セレッソにとっては普通なのかもしれないですが、それに戻る難しさと、持続する大変さというのを、もう1回クラブ、チームがしっかりと受け止めてやっていくというところが重要になると思います。その上の、アジアだったり、世界だったりというところを(目指しつつ)、しっかりと足下を見つめながらやっていくということが、本当にチームのみならず、クラブとして大切なことだと思います。ある意味で、スタートラインに立ったということなのかもしれないですが、頑張ってくれた選手と、裏方とかで選手を支えてくれたスタッフに、心からお礼を申し上げたいし、ここにいらっしゃる皆さん(メディア)にもいろんな力をいただいたりしましたし、グラウンドでも。それと、最後に、本当に最後までチームを見捨てずに応援してくれた方々に、心より感謝を申し上げて、次またしっかりと頑張っていくことが、セレッソにとっては必要なのかなと思います。本当にどうもありがとうございました」

Q:今日の試合について、岡山の赤嶺真吾選手への対応について、山下達也選手がマッチアップするケースが多かったが、主審の西村雄一さんが比較的(激しいプレーを)流し、繊細に笛を吹いて止めなかったことで、セレッソとしてやりやすさもあったのでは。
「何の違和感もなく、激しくお互いに堂々と、監督も彼の性格も含めて、本当に正々堂々とやれたかなと思いますし、アジア、世界基準では、いたって普通のお互いのファイトだったのかなと思います。ファウルに対して止まることもなく、かつ、お互いに早くやろうともしていたし、攻守が途切れない切り替え(の速さ)というのもお互いにあった。ただ、戦術として、山下のマッチアップのところというよりも、やはり2列目の飛び出しとか、矢島(慎也)くんのスルーパスもあるので。特にこちらからは指示を出してはいないが、非常にタイトなマークを山下がやったうえに、今日は(全体的に)激しくはやるんですが、頭だけは相手の特長のイメージだけを持ちながら試合をやるということができた。特長のある選手がいるので、熱く激しくというなかで、相手のイメージを持っていれば、自然に頭と身体が動くだろうと。準決勝の1失点のところ(課題)もあったので。(キム)ジンヒョンも含めて、守備の集中力は非常にあったのかなと思いました」

Q:セレッソは、ジェフユナイテッド千葉戦後、J1自動昇格の可能性がなくなり、J1昇格プレーオフに向けてチームを作り直すところもあったと思うが、そこに向けて大熊監督のトライとは? 守備面で残り5試合では非常に落ち着きも出て、失点も減ったと思うが、どんなアプローチをしてきたか。
「ボールを運ぶというか、潤滑剤的な選手が、同時に2人抜けたことによって、前で時間を作れることが、攻守、守備の安定をもたらすし、それは曜一朗であったり、攻守は非常に連動して関係があるので。失点したのは、ディフェンスラインのせいだけだとは全然思っていなかったです。本来であれば、今日のような4枚で、伝統あるセレッソのサッカーの上乗せをしたいという思いも、自分のなかではあったのですが、やはり僕のなかでは、ピッチ上では、選手の移籍だったり、曜一朗のケガでの長期離脱だったりもあり、なかなか攻守のバランスを取れなかったなか、どうにか勝利を、勝点を(積み重ねる)ということで、スタッフとも相談して、そういうことをやってきました。そのなかで、最後悔いなく、曜一朗も戻ってきたこともあり、本来のセレッソのやってきた伝統なり、特長なり、自分がやりたいサッカーというのをチャレンジするというのが、セレッソにとってもいいし、それが勝点を稼げる要因にもなるであろうと思っていました。それと、個人的な事を言うと、個人の選手にシステムを当てはめることがいいかどうかということで、ケガで2年以上離脱していた藤本の復活というのは、非常にセレッソにとっては大きいと思います。彼の復調ということが、本来のセレッソだったり、4枚でやれるというセレッソの自信とか、私自身の確信というものが出てきたところもあるし、それに伴っての攻守の安定度をもたらす曜一朗が戻ってきたということが、流れのなかで非常に大きいことが、成績に正比例したのかなと思います」

Q:過去2回のJ1昇格を決めたときと違ったところとは?
「違うというよりも、まず『苦しい』ということが同じだというのはあります。それと、指摘もされたが、同時にイレギュラーがあったなか、フロントを兼務するというタイムリーさも、チームが生き物だったり、いろんなイレギュラーがあったというところで、そういうところは難しかったのですが、フロントスタッフが非常に助けてくれて、最後は目標を達成することができたのかなと思います。あえて、違いということになると、それなりのチームの色なり伝統というものがあるのかなと思います。ここに来て、継続する大切さ、我慢することだったり、最後になってチームとして出てきたのかなと。セレッソは調子のいいときはいいが、流れの悪いときに我慢したり、勇気を持って(いく)というところと、人もそうだが、自分も頑張ればまた人もよくなるという、チームの相乗効果というのを、少しずつそれが出てきた。曜一朗もそういう悔しさをもとに、彼が戻ってきて、チームに我慢だったり、自分が我慢することによって周りもよくなるんだと。そういうのが出てきたことが、前もそうだったんですが、ちょっとそういうところがあって。考えているようで、本当にチームを広く深く考えられているか、苦しいときに。それが少しずつ、そういうことを考えるやつが多くなってきたというのが、非常にいいこと。それが違うというわけではないのですが、他のチームもそうだったが、セレッソに限っては苦しいときにそういうことができるようになってきたことが、今日の内容とか、勝ちきるというところにつながっているのかなと思います」

Q:岡山の長澤監督はFC東京時代の監督、コーチという間柄も含めて、旧知の間柄だと思いますが、改めてこういう舞台で戦ったことについて。
「優秀な監督でこれからが楽しみだし、正々堂々と戦えたことを誇りに思います。苦しいなか、プロとして一緒にやってきたやつなので、心より敬意を払うし、本当に今日できてよかったです」

試合後のセレッソ選手コメント  
長澤徹監督(岡山)記者会見コメント