1月1日(月・祝)第97回天皇杯決勝
セレッソ大阪 2-1 横浜F・マリノス (14:42/埼玉/42,029人)
試合写真・コメントなど
----------

●尹晶煥監督(セレッソ)
「まずは新年になりましたので、『明けましておめでとうございます!』と(笑)。
今日は、結果だけを見れば非常にうれしいですし、本当にあり得ないことがあふれる1年を、僕らの選手たちは過ごしてきたと思います。J1昇格プレーオフから昇格して、ここまでの成績をあげるのは決して簡単なものではないと思います。カップ戦2大会とも優勝して、リーグ戦でも3位に入るということは、絶対に簡単なものではないと思います。これは絶対に誰か1人の力で成し遂げたものではなく、大勢の皆さん、全選手、全スタッフ、そしてセレッソに関わるすべての皆さんが力を合わせて達成した結果だと思います。2018年もこの結果を持ってくることができれば非常にうれしいと思いますが、それは言い切れないところにもなります。
今日の試合は、非常に厳しい戦いになると予想はしていましたが、その予想した以上に厳しい戦いになりました。2017年の1年間、こういう姿で走りきってくれた選手たちがやってくれた結果だと思います。非常に選手たちに感謝しております。この選手たちに感謝のメッセージを贈りたいと思います。現役時代、優勝できなかった天皇杯で、指導者になって優勝できて、本当に感激していますし、非常にうれしく思っています。でも、これがすべてではないです。もうすでに来シーズンを1カ月前に控えていますが、早く休みに入って、身体を十分快復させて、来シーズンに向けていい準備をしなければいけないと思います。この1年間、皆さん本当におつかれさまでした。本当に感謝しております。ありがとうございました」

Q:ルヴァンカップ決勝 も非常に厳しい試合で、今日も1点を先行されて厳しい試合でした。セレッソのイメージというと、こういう試合をなかなか勝てないというのが、これまでにはありましたが、何が一番変わったのか、監督は一番何を変えたのでしょうか?
「昨日も同じ質問を受けました。逆に皆さんに質問をしたいです。本当に、我々の選手たちは何が変わってきたのでしょうか?僕は就任してちょうど1年になりますが、僕が来る前までは我々の選手たちはどういう姿だったのでしょうか?どういう前の姿があったから、こういう質問を受けるのか。そこがすごく気になります。
1つ上げられるものとしては、勝とうとする姿勢です。そしてチームとしてやろうとするプレーを、1人だけではなく全選手がやろうとしていたところが、グラウンドでよく表現できていたと思います。そして、自己犠牲して献身的に走って、最後まであきらめない姿を見せることが、今のセレッソの選手たちが一番変貌したところではないかと思います。それが身体と精神に染みついて、勝利を導く1つの原動力になったのではないかなと思います」

Q:先ほど監督が言われた、1人の力ではないと、それは非常に大事なことだと思います。なかには反発する選手とかもいるのかもしれませんが、(チームをまとめるのに)尹監督のなかで何が一番大事だったのでしょうか。
「自分なりに考えていることを言います。これが本当に正解なのかどうかはわかりません。それは『信頼』ではないかと思います。お互いの人格を、みんなが尊重してやっていくことで、そういう信頼があったから。また、チームとして目標としているところと、各自が目標としているところが一致したので、(チームが)うまく回ったのではないかと思います。目標が明確になっていたので、監督として管理する部分に関してはすごくやりやすかった。もちろん、反発する選手もいるでしょうし、陰で文句を言う選手もいるのかもしれません。僕も選手時代、そういう言動をとったことがあるので。でも、時間が経てば、やっぱり自分が足りなかったんだと気づくときが来ると思います。なので、僕の立場からすると、その選手たちが変わってくるまで待ってあげなければいけないですし、そして我々がいい結果を持って来ているのも、そういう選手たちが変わってきているから結果もついてきていると思います。そして、選手、フロント、みんなが同じ気持ちで、同じ目標に向かって仕事をしているので、よくなっているのではないかなと思います」 

Q:サガン鳥栖時代から一緒にやっている水沼宏太選手が、今日の試合で最後に決勝点を取りました。1年目でチームを作るにあたって、彼が監督のサッカーを理解しているからこその役割があったと思います。この1年間、彼はどんな役割を果たしてきて、今日のプレーぶりをどう感じているか教えてください。
「水沼選手は僕のことを知り尽くしているので、気をつける必要があると思います(笑)。それはともかく、2017年の1年間、本当に順調に行けたのには水沼選手の存在があったからと言っても過言ではないと思います。なぜかというと、僕の考えをほかの選手たちにうまく伝えてくれて、そしてサッカースタイルもそうですが、いろんな面で僕ではできない仕事を陰でよく頑張ってくれたと思います。キャプテンでも副キャプテンでもないのですが、本当にこのチームで何かを成し遂げないとという気持ちがすごくあったと思います。今日の決勝点について、ヘッドで決めたのは初めて見ましたが、それくらい本人が努力したから、この結果につながったと思います。そういう選手がいれば、誰であっても、僕がサポートしてやっていかなければいけないと思います。それがチームの力になると信じているからです」

Q:先ほど「信頼」という話もありましたが、今日の試合では先制されて、ゲームを支配しながらなかなか点が取れず、じりじりとした展開が続いていました、ルヴァンカップでタイトルを獲ったことで、なにかメンタルに影響はありましたか?
「もちろん、ないと言えばそれは嘘になります。ミーティングでもその(精神的な)部分をすごく強調していました。我々も人間なので。もちろん厳しい状況で、こういう試合ではつらくなるときもあったと思いますが、だからといって全選手が弱くなっているわけではないので、何か足りない部分を周りの選手で埋め合わせてやれば十分できると思いました。それが信頼というものではないかと思います。もちろん、交代された選手は気分のよくないところもあったと思いますが、チームの勝利のためには選択するしかない。そういう選択をしないといけない立場にも、僕はなっています。もちろん全選手がいいコンディションなら90分以内で勝負はついたと思いますが、そうではなかったので、いろいろなことを考えなければならなかった。その選択をしなければいけなかったのです。セレッソ大阪がもっと発展と成長をしていけるかどうかは、これから見極めていかなければいけないです」