6月30日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第17節
湘南ベルマーレ 0-2 セレッソ大阪 (19:03/BMWス/12,821人)
試合写真・コメントなど
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●チョウ キジェ 監督(湘南)
「お疲れ様でした。
 日曜日の夜遅い雨の中、本当に試合が始まる前の花道から、最後試合終了まで、大きな声援で自分たちのチームを勝たせたいというサポーターの気持ちもひしひしと伝わってきましたし、ここ最近勝てていない中、今日声援をくれたサポーターは本当に湘南のサポーターだと思ってますし、その彼らに勝点3を届けたいなと思う一心でやってきました。結果としては残念な結果に終わって、毎回こういうコメントを言うのが正しいかどうかわからないんですけども、悔しい気持ちでいますし、今日来てくれた人、応援してくれた人には非常に申し訳ないなという気持ちでいます。
 試合の展開としては、0-2になった後も、ちょっとオープンになりましたけれどもセレッソの選手にも相当疲労が見えてましたし、やはり我々のスピード感とか走力で勝つ戦いに持っていくために、僅差で最後まで推移していかなければいけないなってことが改めてわかりました。ただ0-1にされたんで少し攻撃的なカードを切りながら、カウンターを食らうリスクを含めてやったことは、今、自分が振り返ると間違ってたという感じはあまりしないですし、1点取られてカウンターでもう1回取られるというサッカーの典型的な敗戦のパターンになりましたけども、サッカーの内容については、自分たちがボールを持った時、それから相手にボールが行った時の、その隙間のことも含めて、クオリティー自体は全然悪くなかったと思います。むしろ今までよりも進歩が見えました。それが結果に繋げられない、そういうところのハードルを目前にして、自分たちでジャンプしたが1歩及ばずっていうような試合だったと思います。
 ただ、ベルマーレの監督としてこのチームに少なくとも3日や1週間じゃなくて、長く責任を持った立場で仕事させてもらうっていうところで言うと、敗戦を怖がって自分たちの持ってきたもの、積んできたものを、一気に下から壊して、また違う積み木を積み上げる気は全くない。自分たちが今、歩んでいる道の中で、当然ですけど、このクラブが持ってる、本当に地底の底にあるエネルギーだったりマグマだったり、そういう見えないところの自分たちの本質というものが、今、試されているなと自分で思っているので、選手を当たり前だけど信じて、彼らを伸ばしていくってことに一点の曇りもなく進んでいかなきゃいけないと思ってます。厳しい意見ももちろんあると思いますけれども、普段の練習場や彼らがどれだけサッカーに対して今向き合っていっているかっていうことは監督としてひしひしと感じることなんで、ちょっとコメントとしては聞くに堪えないっていうか、少し甘いよって言われるかもしれないんですけど、事実は事実なんで、その事実をしっかり受け止めて、次の天皇杯とリーグ戦に臨んでいかなきゃいけない。周りの皆さんの期待も高まる中、当然この前半戦17試合でもうちょっと勝点を取るように準備はしたかったんですけど、ただこれで終わったわけじゃないんで、後半戦17試合が始まりますけど、そこで反撃できるように、しっかりもう1度やり直すっていうか、悪いところを反省して自分たちで積んでいきたいと思います。すいません、長々と」

Q:走ろうとしているときにセレッソの選手がいるような感じで、相手が先に走っているのか、ブロックを崩さなかったのか、なかなか難しい試合だったと感じたが?
「セレッソは失点が非常に少ないチームですし、得点より失点が少ないなかで勝点を積んできている。ロティーナさんのやり方がチームに浸透して、相手にボールを持たせていても最終的にやられなければ、前のほうの個人技の高い選手たちが点を取るという形が今できている。彼らにとって怖かったかどうかわかりませんが、我々としてはGKからしっかり動かして彼らに来させないとチャンスは作れないですし、実際にそれFKを取った場面とか、その隙間に入ったときにチャンスになりそうな空気とかはあった。それ自体は間違っていたとは思いませんけど、セレッソとしてはああいうものに慣れているというか、許容範囲の中だったかもしれない。我々としてはあの選択を取ったのは、GKから長いボールを入れて取られるよりも、多少遅攻は増えましたけど彼らを動かしながら引き出していかないと点にはならない。セレッソに最後、非常に疲労が見えたというのは、そうやって動かされた部分が今までの試合よりもあったんじゃないかなと思いますけど、それは勝ちにつながったわけではないので。ボディブローだけで、最後カウンターパンチとかストレートが出なかったという印象があります」

Q:いい位置のFKのときに、クロスを入れないで短く繋ぐ場面が多く見られたが?
「最後はプレーヤーのジャッジで、こういうところを崩していこうという練習はもちろんするんですけど、(松田)天馬が(鈴木)冬一に出して、その折り返しを天馬が打ったロングシュートが上に行った場面を言ってると思いますが、セレッソのディフェンスは高いボールに関しては非常に強いので、少し変化をつけてというのは1つ狙ったところではあります。あの空気感とあの感じだと入れてもよかったのかなと思います。ただ、過去に起きたことをそこから向き合って未来に向かうというよりは、我々は今自分たちに起きた事象ではなく、そのことを通じて未来のことを語らなければいけないと思っている。1つひとつのプレーを取り上げてよかったか悪かったかという議論は結果論なので、このチームにふさわしくないと思っているところも正直ある。そのことを通じてなにか言葉を言い換えて、あの場面で自分たちが狙ってきたものではないものを勝負しなければいけないんだよということを本質的に選手に理解させなければいけないと思っていますし、それが今後の湘南の選手たちにいちばん大事なのかなと感じます」

Q:杉岡大暉選手はコパアメリカで3試合フル出場して、木曜日に30時間かけて帰ってきて中2日、それでも先発に送り出したのは彼が持ち帰ってきたもの、成長した部分が勝利のために必要だということか?4年前に遠藤航選手が東アジアから帰ってきたときも顔を見て決めたと話していたが?
「同じような理由ですね。彼も3試合日本代表で行くなかで、カバーニや世界のストライカーを前にして感じたものもあるでしょうし、もちろん疲労はあったと思いますけど、表情を見たらその経験をチームに還元してもっとうまくなりたいという形で帰ってきたので、たぶん飛行機に乗るぐらいから週末の試合に出るつもりで帰ってきたと思いますし、それはシンプルにチームの力に活かさなければいけないと思っています。
 3試合出るということは、1試合も出てない選手もいるので、もちろんどちらの選手もいい経験をしたと思いますけど、生で感じたものを彼は持っていたと思うので、今日疲れもあったと思いますしミスもちょこちょこありましたけど、タフによくやったかなと思います」