1月14日(月・祝)に開催しました「サポーターズコンベンション2019」レポートです。
当日は、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。


Q:監督の選定を含め、セレッソをどのような個性を持つチームにしたいとお考えですか?
大熊清 チーム統括部長
「セレッソというクラブは、育成から積み上げて選手を育ててきたクラブです。ただ、同じメンバーでずっと来ているというところもあり、それが個性にもなったり、その個性が足し算になるときもあれば、個性同士がいろいろな部分での掛け算になってしまうときもあるのかなと感じています。『行動規範』で自立という言葉を使わせてもらったのは、サッカーは1人のスポーツではないので個性がいい方向に向かうようなチーム。1人ひとりが自立をして、自分のこと以外に常にチームを考え、セレッソが愛されるチームに向かうような雰囲気作りを、1人ひとりがやっていかないといけません。先ほども言ったように、選手がセレッソになにを還元できるかという大人の集団にしていくというところを、U-23やアカデミーも含めてしっかりやっていきたいと思っております」

Q:市民応援デーについて。僕の住んでいる市の市民応援デーがありません。
橋本毅夫 事業部長
「貴重なご意見ありがとうございます。ぜひ多くの方にセレッソ大阪を知っていただきたいということで、ホームタウン活動を実施しております。どちらの街にお住まいの方なのかわからないのですが、可能なかぎり広く、多くの方々にご来場いただけるような形で検討させていただきたく思っておりますので、またご来場をお待ちしております」

Q:主力の大量移籍の原因をどう考えていますか?同じ過ちを繰り返さないための対策をどう考えていますか?
大熊清 チーム統括部長
「大変申し訳なく思っております。各選手がセレッソに戻る時も向き合い、そういう話(オファー)があったときも、個人で向き合ってきました。同時に、彼らが投げかけているメッセージをしっかりと、これから生かしていくことも必要です。それが1点ともう1つ、サッカー界自体が非常に変わってきていて、1月に山中亮輔選手(横浜FM)が浦和に移籍をしたのですが、これまではなかなかない移籍が成立し始めています。そういう意味では、さらにセレッソが育成型クラブとしての魅力を付けることと、社長が言ったようにみんなに愛されるクラブにしていくことが大切です。契約内容も含めて、変わりかけている激動のサッカー界において、社長と相談しながらしっかりやっていくことが重要ではないかと思っております」

Q:入場ゲートでSAKURA SOCIOのカードをタッチすることにより来場ポイントが溜まります。2018シーズンは8回来場したうちの2回、ポイントが付いていないときがありました。どこから音が鳴っているかわからないまま、係員に先に進むように促されました。後付けはできないとのことで、かざしたときにポイントが出るとか名前が出るとか、なにか対策はできないでしょうか。来場ポイントがもったいないです。
猪原尚登 事業部課長
「貴重なご意見ありがとうございます。事業部の猪原です。Jリーグで各会場のワンタッチパスというシステムを使ってポイントシステムを付ける形にしております。クラブですべてを改善することはなかなかできないのですが、いただいたご意見をJリーグとも協議しながら改善できるかというところと、すでにこのシステムからリニューアルするという計画もリーグとクラブで考えています。セレッソだけではないのですが考えていますので、今のご意見も反映しながら、よりよいシステムをリーグと一緒に作っていきたいと思います」

Q:ユニフォームについてお伺いします。今シーズン、初めてまだ新しいユニフォームを買っていません。今日、選手が着ているのを見て「カッコイイ」と思ったのですが…。たとえば3つぐらい候補があって、それをみんなが選ぶなど、そういうことがシーズン前にあると、もっとワクワクするのではないかなと思います。社長の話す「ワクワク」の1つに加えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
猪原尚登 事業部課長
「ご意見ありがとうございます。皆さまの投票方式にするかどうかということは、クラブ以外の、たとえばプーマ様や、デザインの細かいところですがこういうふうにするとロゴがあまり見えないとか、リーグの規定もあります。そのままそっくり皆さまのご意見に応えることはできない部分もあります。決して1つの案で進めているのではなく、クラブとしてもいろいろなプロセスの中からデザインを選択させていただきました。今回のデザインについても、皆さんのご意見がどういったものかクラブ側も理解しています。クラブとしても、より良いものを作って、たくさんユニフォームを販売して、クラブの力を強くしていくというところもありますので、今後どういうプロセスでやっていくかということは検討させていただきたいと思います」

Q:大阪ダービーについて、2つあります。1つは、最近は全く勝っていません。大阪ダービーに勝ったら選手に特別ボーナスを出すとか、なにか選手のモチベーションを上げる施策をお願いします。
もう1つ、大阪ダービーをガンバさんと大阪名物にしていきたいと思っているので、たとえばユニフォームやTシャツで、“今年の大阪ダービーの記念Tシャツ”などを作っていただきたいです。サッカーに興味がない人でも大阪ダービーに興味を持ってもらえるイベントやグッズを考えていただければと思っています。
森島寛晃 代表取締役社長
「貴重なご意見ありがとうございます。大阪ダービーを皆さんに応援していただいている中で、クラブとしても特別な思いを持って臨むように、みんなテンションも上がって『必ず勝つ』という形ではやっています。今、言われたようにお金ということも1つありますが、お金以外のところで、もっと選手1人ひとりにも「この試合はただの1試合ではない、大阪ダービーは絶対に負けられない」という思いを伝えていけるようにしたいです。選手のモチベーションの上げ方というところで、『この試合は特別だぞ』という形で勝利プレミアムも1つの形かなとは思いますが、まずは、徹底して『絶対に負けられない』という大阪ダービーの重要性を選手1人ひとりやクラブ全体に持たせていきたいと思います。
 グッズに関しては、今季は開幕戦も関西ダービーという位置付けでもあります。いろいろな形で、シーズンを通して皆さんにワクワクしてもらえるように、グッズ、イベントも含めてやっていく中で、大阪ダービーも特別ななにか、今までと違うことをやっていけるような話もしながら、皆さんにワクワクしてもらえるようにしたいと思います」

橋本毅夫 事業部長
「今、猪原と話をしていたのですが、昨年度はガンバさんとの試合の際にはなんらかのグッズがあったようです。今年度に関しても、もちろん先方があるお話ですが、共有した上で、どういう展開をしていくのかということを、これからやっていきたいと思います」

猪原尚登 事業部課長
「橋本からもありました通り、昨年の大阪ダービーでは、Tシャツやタオルマフラーの販売はしていました。こちらがうまく周知できていないというところでご存じではなかったかと思うので、それはクラブとして、どういうふうに皆さまに伝えていくかというところはあると思います。
 大阪ダービーは、大阪のサッカー界だけではなく、日本の中でもダービーは大阪ダービーだと。大阪のスポーツコンテンツの中で、大阪ダービーを見ようということで、関西のテレビ局さんにも中継していただけるようにとか、誰もがこの日に大阪ダービーがあると知っていただけることが、たくさんのお客さまが来て、お互いのクラブが発展していくということになるので、そういったところをうまくクラブとしてやっていきたいと思います」

Q:チームの規律について質問したいと思います。チームには規律が必ずあると思いますが、それを決めているのは監督なのでしょうか?それとも、クラブの強化部なのでしょうか?昨年度は、規律違反までとはいかなくても、チームの雰囲気を変えるような発言や行動をする選手がいたように、サポーターからも思っていました。あることないことマスコミは書きますが、実際のところ、規律はどのように誰が決めて、どのように運営しているのでしょうか?
大熊清 チーム統括部長
「細かくこの場で言うのは難しい部分もあるのですが、選手会の中で罰金制度を作ったりもしています。なにをしたらいけないのか、チームのためになるのかというところは、正直、一流の一流であればわからないといけないことだと思います。そういう意味では、罰金制度を自主的に決めさせてやっているところもあります。
 それと、監督マターの規律を、どのくらいフロントが入っていくのかという難しさもあります。選手を呼び出してこういうことを言っている、という部分はなかなか皆さんに伝える場がありませんし表には出ないんですけど、共通に思っている場面があった中で、現社長と個人やグループを呼び出してチームにあるべき姿を求めることはやっていました。立ち返ると、もっともっと責任感を持って、自分で見極められる集団にすることが、皆さんが愛するセレッソになるのかなという思いで、『行動規範』自立という言葉を使わせてもらっている経緯があります」

Q:先ほどから、育成型クラブというお話が出ているのですが、U-18に所属していた鈴木冬一選手についてうかがいます。昨年、長崎総合科学大附高に転籍しました。記事を読むと、本人自身が「いろいろなことを考えた上で転籍を決めた」と。最終的に今年、内定が決まったJクラブは湘南ベルマーレです。ウチに帰ってくるのであれば、まだ行ってきた経験が生かされるという話になると思いますが、他クラブに持っていかれるのは…。年代別代表でも活躍していた選手です。彼を呼び戻せなかったのか、ウチが呼び戻さなかったのか、そのあたりはいかがでしょうか?
宮本功 一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ代表理事
「育成を担当している宮本です。鈴木選手が高校3年生になるとき、ちょうど1年前ですね。U-23のキャンプに合流して、高校3年生としてセレッソ大阪U-18、U-23としてプレーするタイミングでの移籍でした。本人は、プロに対してなにが自分に足りないのかをきちっと分析できる、非常に賢い子でした。今、自分がここにいたら、立ち位置がどうなのか、冷静に分析していました。ライバルも多いですし、セレッソのトップチームの選手を見たときに、自分がここでプロになれるのか、活躍できるのかと。それも踏まえて、環境を変えないとプロになれない、自分をもっと厳しい場所に置きたいという非常に強い意志を持っていました。当時、何度も面談しましたし、保護者の方ともお話させていただいた上で、本人にとってそれがベストだという本人の強い意志を尊重して、送り出した次第です。その時点では、プロ契約をしていたわけではなく、契約としてはアマチュア、セレッソのユースに所属している選手でした。一方で、受け入れ側の学校も、非常にポジティブでした。そういうことから移籍に至ったという形です。本人が成長して、我々も組織が変わりますから、きっといろいろな話もあったと思います。我々としては、今回のタイミングかどうだったかは別にして、小さいときからずっとセレッソでサッカーをしてきたサッカー大好き小僧なので、将来はセレッソで一緒にできたらいいなと、アカデミーの立場の私としては切に思います。お答えになっているかわかりませんが、以上です」

Q:U-23についてうかがいます。サポーターの目から見て、昨季は戦えるチームになっていたと思います。ただ、U-23の選手にトップチームでプレーするチャンスがなく、昨季はJ3で活躍していた選手も何人か完全移籍で放出してしまいました。U-23の選手のモチベーション、チームの意義を教えてください。
大熊清 チーム統括部長
「先ほどもお話させてもらったんですけど、J1に1人、J2に7人が行けるクラブは皆さんが作ったセレッソしかありません。どのクラブとは言えないですが、過去にも、育成型でやっていこうとしながら、結局あきらめて…というクラブもあります。いろいろなクラブがある中で、女子もU-23もしっかりやっているクラブとしては、セレッソが日本一ではないかと思っています。
 U-23についてもかなり話し合っているのですが、先ほどの鈴木冬一もそうですし、金沢に新加入した石尾崚雅もそうですし、出場機会を求める自分の意見(があった)。今は、ほとんどの若い選手にエージェントが付いている時代です。その中で、J1に1人とJ2に7人出していることはすばらしいですし、出発点としてU-23がなければ、これだけの人数は育たたなかったということはわかっていただきたいと思っております。
 U-23から早急にトップチームにつながるようにという思いで、戦えるようになっています。出場機会を求めて本人が契約を1回リセットしたいという思いがあったり、退路を断って他クラブでという思いを持つ選手もいた中で、なるべくセレッソに残ってそのままトップにつながればという思いで契約をしたり育てたりしています。将来セレッソに帰ってくる意志があれば声をかけられるように、鈴木や石尾、米澤令衣などのマネジメント側にそういう話はしています。多くの育成出身選手がJリーグでプレーし、また違った形でセレッソに戻ってくることも必要な時代になっているかなと思います。即効薬、もっともっとトップへという皆さんのお気持ちもわかるのですが、しっかりと積み上げて、J1で活躍できる選手を育てたいと思っているので、今後もご理解をいただければと思います。謙虚に、そういったご意見もチームとして受け止めながら、なるべく早急にトップに上げたり、違う形でのアプローチも含めてご意見に応えたいと思います」

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森島寛晃代表取締役社長挨拶 
チーム方針説明
事業関連説明 
桜スタジアムプロジェクト説明
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