1月14日(月・祝)に開催しました「サポーターズコンベンション2019」レポートです。
当日は、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。

大熊清 チーム統括部長
資料(PDF/1.5MB)

 今季の目標をお話しする前に、昨季の振り返りということでお話しさせていただきます。
サッカーは数字上のことだけではなく、チームは生き物なので、いいこと、変えないといけないこと、たくさんあったのですが、数字で言えば、2冠を獲った一昨季のチームから尹晶煥監督とともに「ポゼッション率を上げよう」という目標を掲げ、昨季はオスマルなどフィードがうまい選手を獲りました。ただ結果的には、リーグでのボール支配率は、相手の研究も含めてなかなかうまくいかず、18チーム中12位でした。走行距離も、ボールを動かすことで人を越える動きが少なくなってしまったというのが強化部の分析で、一昨季は4位だったのが昨季は14位に落ちてしまっています。得点も、65から39に減ってしまい、サイドバックのマル(丸橋祐介)がチーム得点ランク上位(1位タイ)という結果になってしまいました。
 堅守、攻撃的な守備という意味では、尹さんが2年間積み上げてきてくれた部分があって、失点は一昨季の43から昨季は38に減りました。守備というよりも、攻撃につながる守備、ボールを奪いにいく守備の大切さは浸透しました。「(前に)居残って、攻撃ばかりしていたらいけない」という、サッカーでは当たり前だけれども大切なところを植え付けてくれました。そこは、これからもセレッソのみんなでずっと持ち続けないといけないところだと思っています。

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 次に、現場が何をやるか、中身の部分です。
 これは皆さんに冒頭にお話ししないといけなかったことなのですが、“育成型クラブ”ということで皆さんで育ててもらった選手に、残念ながら移籍があったことは悲しいことであり、心から申し訳ないと思います。なかなか表には出ないことですが、個人個人とかなり向き合って、チームの方向性も話したのですが、彼らが置いていってくれた部分、いろいろな部分での言動は真摯に受け止めて、セレッソが発展していかないといけません。そういうことは、彼らの発言の前に1対1でも話していますし、彼らの思いはしっかりと受け継がないといけないと思っています。
 今後、セレッソがどういう行動を起こして、どういうことを大切にしていくかということが一番大切だと思うので、そこは昨季よりも、新社長の下、選手との距離感も考えてしっかりやっていきたいと思っています。
 今季は舩木翔をトップチームに上げています。引き続き、我々はアカデミーも大切にしながら、しっかりと育成型クラブを目指していきたいと思います。それと、尹さんが築き上げた攻守の粘り強さを堅持しながら、さらに攻撃的なサッカーをやっていくことが非常に重要だと思います。そういったことで、スタジアムを取り巻く環境や雰囲気、社長が言われたワクワク感を作り、皆さんにもう1回見に来てもらえるサッカーができるのではないかと思います。

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次に「行動規範」です。これは、玉田稔前社長が「必ずこれを」ということで、ずっとやってきたことです。学ぶとかハードワークなどありましたが、3つめは「自立」ということにさせてもらっています。
 若い選手にもいろいろなことがあって、ともに戦ってきたのですが、時間としては家族以上に一緒にいるにせよ、18歳を過ぎた選手たちと24時間付きっ切りということはできません。やはり、チームの仲間を思い、盛り上げ、つながること(が大事)。オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチをしっかりやりながら、プライベートはしっかりと休む。選手が自立することを、我々がしっかり見守ることが重要だと思っています。正直、人間最初はWE(我々)・チームなのですが、やはり「自分」もある、と。尹監督も言っていた「常に犠牲心を持ってチームに気持ちが向いているか」。それを、自分だけではなく、周りにも伝える力があるか。新たに加わってもらった5選手は、「純粋な気持ちでセレッソを優勝に導きたい」と話してくれました。(前所属チームの)レジェンドでありながら、いろいろな思いをリセットしてセレッソに来てくれています。そういう意味では、育成型を大切にしながら、ある意味オープンなセレッソとしてみんなで彼らを迎えて、一緒に優勝を目指して戦っていきたいと思っております。

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次に「方針」、これは少し変えさせてもらいました。森島新社長が強化部時代にも言っていた「自立とチーム一丸」。そして、新社長が心から思っている「愛されるチーム、闘えるチームになっていく」というところを、ぜひ皆さんと一緒に目指していきたいと思います。
 セレッソの雰囲気という意味では、ソウザもそうですが、岡山に昨季移籍したリカルド サントスは、いまだに「セレッソに戻ってきたい」と言うくらいです。「いくらでもいい」と(場内笑)。それくらい、サポーターが作る雰囲気に感謝しているのだと思います。私も岡山に2回行って、彼と話をしました。今はフリーなのですが、離日の前に舞洲に来て、感謝の気持ちをみんなに伝えてスウェーデンに帰っていきました。
 我々は皆さんの雰囲気にいつも感謝しておりますし、真摯に育成型と常勝を(目指す)。ただ、育成型という柱がありながら、ACLや常勝を目指すことは簡単ではありません。ただ、そこを目指していくことが、チームに個性が求められているJリーグの中では大切なこと。有言実行は簡単ではないけれども、そういったことでセレッソに個性が出てくる。そういう立ち位置だと確信しております。皆さんとともに、育成型も大切にしながらチームを作っていきたいと思います。
 U-23に対してのご意見もあると思います。(質疑応答の)質問を見させていただいたのですが、「かわいい子には旅をさせよ」ではないですが、J1・大分に庄司朋乃也が期限付き移籍で行き、J2に7選手が行っています<資料10ページ>。これは日本一の数だと思います。そういう意味では、心配をおかけしていますが、将来必ず前川大河や庄司が帰ってきて、力になると思います。時間はかかりますが、正直、J3と昇格を懸けたJ2の上位ではいろいろな意味で差があると思います。この8選手に関しては、我々が期限付き移籍で出したいというよりも、相手のクラブが「欲しい」と、これだけ求められるクラブはほかにないと思います。選手層という意味では、彼らがいたほうがいいんですが、喜田陽も東京オリンピックという夢があって、福岡というJ1昇格がかかったクラブに行きました。これも、皆さんが育成型クラブということに真摯に向き合って、力をお貸しくださった結晶だと思っております。

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 今季の「目標」ですが、社長が申し上げたように、ACLに常時出ること。そして、タイトルにチャレンジではなく、タイトルを獲ること。それからチームは生き物で、組織は掛け算です。足し算であればいいのですが、そしきは掛け算という部分もあるので、1試合1試合、掛け算が積み上がっていくようにしっかりと戦っていきたいと思います。
 トップチームのスタッフは、ロティーナ監督、イバン パランココーチ、通訳の小寺真人のほかは、同じスタッフでやっていきます。皆さんのご指摘にもあるように、ケガの繰り返しが多かったことも含めて、検証しながらやっていきたいと思っています。
 U-23は、村田一弘をコーチに上げます。日本サッカー協会にも知り合いがいますが、これだけ8選手を期限付き移籍で出せることは成果だと言われました。さらに、皆さんにご指摘を受けたように、J1で通用する選手も早急に作っていくと。海外での練習参加や期限付き移籍も含めて、しっかり育てていきたいと思います。ロティーナ監督も、山田寛人、安藤瑞季、瀬古歩夢など、我々が名前を出さないうちにU-23も見てくれていました。ほかにもいい選手がいます。そういう意味では、U-23も含めたチームという理解で、監督も見てくれています。いろいろなご指摘もある中で、今季はそういう選手がルヴァンカップを含めて活躍できるように、今季のルヴァンカップは決勝も含めて「21歳以下の選手を1名以上先発に含める」というレギュレーションに変わっていますので、しっかり戦っていってもらえると思います。

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 次が、紹介した新加入選手5名です。3-4-3、4-3-3、4-5-1、4-4-2、いろいろなシステムがあります。今日は4-4-2でミーティングをしましたが、システムありきではなく、監督の思い、足りないところのご指摘も含めて、限られた時間で動いてきた補強です。会見で皆さんにも感じていただいたと思いますが、純粋な選手たちばかりで、かつ藤田直之のように派手ではないけれども重みがあって、チームに貢献してくれる選手ばかりだと思うので、ぜひ一緒に戦っていただければと思います。

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 次に、期限付き移籍からの復帰選手です。(丸岡)満に関しては、クラブとしても向き合ってきました。皆さんにも申し上げたいのですが、これからの激動の時代に、セレッソが選手に何をやるかももちろん必要ですが、選手たちがセレッソに何をしてくれるか、変えてくれるかも大切です。満に関しても、かなり向き合って期限付き移籍で出してきました。そういう意味では、彼はあえてU-23からの出発にしております。原点回帰ということで、U-23も含めた1つのチームということで、彼が早急にトップチームに関わってくれることがあればいいと思っています。

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 トップ選手は27人です。期限付き移籍から復帰の圍謙太朗に関しては、福岡でレギュラーを獲って、選手ミーティングでもしっかりとアクションを起こせる自主性のある選手です。あえて(キム)ジンヒョンに挑む、という意気込みで帰ってきてくれました。ぜひ、期限付き移籍から復帰の選手たちも応援をしていただければと思います。

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 U-23選手は、あえて丸岡満も入っています。いろいろなクラブに期限付き移籍をしたけれど、J2でレギュラーを勝ち取れなかったと。彼とも話をして、U-23の中心選手、キャプテンをやるつもりでやってもらって、またトップに上がってきてくれたらなと思います。

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 最後に、期限付き移籍の選手です。「U-23があるのに、なぜ出すんだ」というご指摘もありました。選手層という意味では、セレッソにいてくれたほうがいいのですが、J2で昇格争いできるクラブから声がかかったとき、東京オリンピックへ向けた思いを持つ選手もあり、本人たちとも話をして、育成型期限付き移籍などをすることになりました。育成型の期限付き移籍は、シーズンの3分の2が終わるまではいつでも帰ってこられることになっています。力を付けたり、置かれた立場によってはセレッソに戻ってくる契約になっています。
 トップが27名、U-23が10名、期限付き移籍は育成型を含めて8名。皆さんと一緒に、まずは開幕の神戸戦・フライデーナイトへ向けて、しっかりとチームとして、社長が掲げる「愛される、戦う、一丸となれるチーム」を目指していきたいと思います。今シーズンもよろしくお願いします(場内拍手)。

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森島寛晃代表取締役社長挨拶 
チーム方針説明
事業関連説明 
桜スタジアムプロジェクト説明
質疑応答