「まいど!セレッソ~マイセレ~」のオフ恒例企画「2019年レビュー」。
セレッソの2019年を、番記者・小田尚史さんがポジション別に振り返ります。
---------

【ボランチ編】

 昨季から今季にかけて、最も変化があったポジションだ。FIFAワールドカップ・ロシア大会にも出場し絶対的なレギュラーだった山口蛍に加え、山村和也、オスマルと、昨季ボランチを務めた3選手が移籍。主力で残ったのはソウザのみとなったが、開幕前に藤田直之奥埜博亮レアンドロ デサバトを補強した。結果として、この3選手がロティーナ監督のサッカーにフィット。懸念されたポジションが武器になった。

 奥埜は、タイキャンプで早速ロティーナ監督の信頼を掴むと、開幕スタメンを奪取。こまめに味方をサポートし、相手のマークも怠らず、攻守において機能。労を惜しまない豊富な運動量も武器で、第9節・大分トリニータ戦 で記録した13.63kmは、今季のJ1リーグの走行距離No.1となった(今季ベスト10に3度ランクイン!)。都倉賢の負傷離脱後は、FWとしても活躍。チーム最多タイの7得点と結果を残したが、本来のボランチとしてもロティーナサッカーへの適応力の高さを示した。

奥埜博亮:豊富な運動量も武器に、攻守において機能。FWとしても活躍し、チーム最多タイの7得点

 藤田は、シーズン序盤はルヴァンカップでプレーしていたが、奥埜とのコンビでグループステージ第3節・名古屋グランパス戦 第4節・ヴィッセル神戸戦 で快勝を収めるなど結果を残すと、J1リーグ戦第10節・松本山雅FC戦 で満を持してリーグ初先発。的確な判断と小気味よいパスワークでチームを動かし、機能させ、以降は不動の存在としてチームを支え続けた。試合後のコメントも常に的確であり、そのクレバーさは群を抜く。今季取り組んだポジショナルサッカーを推進する上で欠かせない存在となった。

藤田直之:そのクレバーさは群を抜く。ポジショナルサッカーを推進する上で欠かせない存在に

 レアンドロ デサバトの存在も始動から目を引くものがあり、最終ラインからうまくボールを引き取り、素早くサイドを変えるなど、シンプルなプレーで貢献。アルゼンチン国籍のボランチらしく、寄せも早く、ピンチを未然に防ぐ危機管理能力の高さも際立った。シーズン終盤は首を痛めて戦列から離れるも、中盤戦の安定した戦いぶりに貢献した1人だ。

レアンドロ デサバト:寄せも早く、ピンチを未然に防ぐ危機管理能力の高さも際立った

 4選手の中では最も苦しいシーズンとなったソウザは、開幕戦を含むシーズン序盤こそ先発を続けたが、中盤はケガも重なり、出場機会を得られず。それでも、第27節・大阪ダービー でリーグ戦19試合ぶりに先発を果たすと、FKから2点目をアシスト。終盤はボランチでスタメンを張り続け、最終節・大分トリニータ戦 では見事なFKを叩き込み、2点目の起点にもなるなど活躍。ルヴァンカップ第6節・大分戦 では、ハーフウェイライン付近から超ロングシュートを叩き込むなど、印象に残る規格外なプレーは今季も健在だった。

ソウザ:苦しいシーズンをおくるも、大分戦の超ロングシュートなど規格外なプレーは健在

文・小田尚史

ボランチ編:今季、最も印象に残った選手はだれやろ?
 今すぐ投票!