サンフレッチェ広島 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/Eスタ)
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広島というチームに変化が見られはじめたのは、2019明治安田生命J1リーグ第14節・札幌戦(6/1)の後だった。
この試合、サンフレッチェ広島はほとんどチャンスらしいチャンスを創造できず、北海道コンサドーレ札幌の守備に比重を置いたサッカーに対して打開策を講じることはできない。0-1で敗れた試合後、城福浩監督は「(この内容と結果に対して)想うところはある」とコメント。そして日本代表ウイークの中断期間、指揮官は軸足を変えた。つまりは、こういうことだ。
- ブロックをつくるよりも前からボールを奪いにいくことが優先。
- 自分たちで主体的にボールを握り、地上戦でつないで勝負していく。
- 相手の情報は頭には入れるが、あくまで主体は自分たちのサッカー。
それは一方で、リスクを伴う。しかし、そのリスクを承知の上で、相対性よりも主体性を重視した。覚悟を決めた、と言っていい。
第15節・湘南戦でも鹿島との3連戦(ACLラウンド16の2戦と直後のJ1リーグ戦第17節)でも、ボール支配率は目に見えて向上。そして天皇杯も含む公式戦5試合で11得点5失点。無得点だったのはACL鹿島戦の初戦だけで、あとはすべて複数得点の試合となった。しかも特筆すべきは、11得点中前半でのゴールは1得点だけ。あとはすべて後半での得点であり、アディショナルタイムでのゴールも3点。鹿島3連戦ではすべて先制されているが、最初の試合を除いてしっかりと追いつき、1試合は逆転勝ち。中断前の14試合で先制された試合は7試合あるが勝点を取ったのは2試合。あとはすべて敗れていることから考えれば、チームの様相は大きく変わっている。
第13節・浦和戦で4得点すべてに絡んだ森島司は好調を維持し、青山敏弘も水曜日の天皇杯でケガからの復帰を果たした。状態は上げ潮の広島だが、監督や選手にセレッソ大阪のことを聞いても、その強さを認めながらも「戦わないといけないのは自分たちです」と言う。おそらく、対セレッソだからといって特別なことはやらない。自分たちの掲げるサッカーをどこまで追求するか。今の広島のコンセプトである。
文・中野和也