7月29日(土)2017明治安田生命J1リーグ第19節
ガンバ大阪 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/吹田S)
試合写真・コメントなど チケット
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「StubHubワールドマッチ2017」と銘打たれて行われたセビージャFC戦 こそ敗れたが、7月、セレッソ大阪が積み重ねた白星は5つ。J1リーグ戦、ルヴァンカップ 、天皇杯と、7月の公式戦を全勝でここまで駆け抜けてきた。過密日程の中でも全選手がいい準備をして試合を迎え、総力戦で戦ってきた締めくくりとなるのが、今節迎えるガンバ大阪との大阪ダービーだ。

 「他の話は要らない。絶対に結果として出さないといけない勝負」と試合前日に尹晶煥監督が表現したこの言葉が、“大阪ダービー”の全てを物語る。日本各地に“ダービー”と名の付く試合は数あるが、最も熱く、火花散るダービーが、大阪ダービーと言っても過言ではない。キャプテンの柿谷曜一朗も、「ダービーの週は周りもそういう(盛り上げる)雰囲気を作ってくれるし、自然とそういう(戦う)気持ちにさせてくれる」と話す。

 ホームのヤンマースタジアム長居で行われた第7節 の大阪ダービーでは、杉本健勇の2得点で1度はセレッソがリードしながらも、90+3分、倉田秋に同点ゴールを決められた。主役になり損ねた杉本は、今節に向けて、「あの日から、今回のダービーを待っていた。試合が終わった瞬間から、『次は絶対、勝つ』という思いだった」と熱い気持ちを吐露する。セレッソとしては、第18節・柏レイソル戦 第22節・浦和レッズ戦 と同様、リーグ前半戦で相まみえた時からの成長を示したい一戦となる。

 また、今回の大阪ダービーは、2つの意味で歴史的な大阪ダービーだ。
1つは、今回が市立吹田サッカースタジアムで行われる初めての大阪ダービーだということ。2つ目は、セレッソが首位として迎える初めての大阪ダービーだということだ。前者に関しては、初めてサッカー専用スタジアムで迎える一戦と言い換えることもできる。互いの選手同士、サポーター同士が激しくぶつかり合うことがダービーの醍醐味でもあるのだが、ピッチから客席が近い市立吹田サッカースタジアムでの試合はどういった雰囲気になるのか、現時点では想像もつかない。セレッソとしては、「スタジアムの雰囲気に飲まれないようにやることが大事」という水沼宏太の言葉が、この試合の大きなポイントになるだろう。

 後者に関しては、意識するのは周りだけで、監督、選手たちに、とりたてて「首位で迎える大阪ダービー」という意識はないようだ。「今、自分たちが首位にいると言っても、ガンバはこれまでにあれだけのタイトルを取ってきたクラブ。いいところは吸収して、追い越していかないといけない」と柿谷は謙虚に語る。それでも、「今はチームワークのところでも、積み重ねてきたことが発揮できるようになってきた。前回(の大阪ダービー)よりいい状態で迎えることができる」と山村和也も話すように、第7節の時点では同勝点で並んでいたガンバに対し、現在は暫定だが9ポイントの差を付けている。今節も、首位を走るその力を発揮して、ライバルとの勝点差をさらに引き離したい。

 ガンバの新戦力、FWファン ウィジョについては、「Kリーグで何度も対戦したことがある」と話すマテイ ヨニッチが止めてくれるはず。もっとも、ファン ウィジョだけではなく、各ポジションで代表クラスの戦力が揃っているガンバに対し、セレッソは「個々の勝負で負けないことが大事」(松田陸)であることは間違いない。そして、猛暑となった7月の戦いで見せてきた、相手より戦う姿勢、走り切る姿勢をこの試合でも表現することができれば、青に染まるスタジアムにおいて、桜のイレブンが勝どきを上げることは十分に可能だろう。

文・小田尚史