今回からは、いよいよ始まる2017シーズンについて、前田敏勝さん、和田りつ子さん、小田尚史さんの熱いトークをお楽しみください。
◆出席いただいた3記者profile
◆2016番記者座談会
レジェンドでもある尹晶煥監督が就任、その手腕に期待
--今回からは新しいシーズンに向けて、2017年のセレッソに望むことや展望などをお聞きしたいと思います。和田 これまで、J1昇格プレーオフで昇格したクラブは、なかなかJ1に残れていないので、あまり大きなことは言えないのがつらいところですが…。
前田・小田 そうなんですよね。
--2016シーズン終了直後には、尹晶煥監督の就任が発表されました。
和田 尹監督は、Jリーグではサガン鳥栖での采配しか存じ上げていないのですが、鳥栖とは違った選手たちがいるセレッソでどんな指導をされるのか、興味深いです。鳥栖時代には3時間練習や早朝練習、走り込みなどもあったと聞いています。『自分たちはパス回しのできるチームじゃないから、まず走れ』というところでの指導だったと聞いていますが、セレッソに来られてどんな監督になられるのかなと思います。
小田 鳥栖ではハードワークが代名詞で、早朝に山道や階段をかけ上がってのトレーニング…という印象です。そんな尹監督がセレッソに来て、今年1年積み上げた頑張るサッカーに、どんなふうに色を付けてくれるのか、非常に楽しみです。
前田 尹監督は、セレッソのレジェンドの1人 であり、そのプレーを見ていた柿谷曜一朗選手ら多くの選手が監督をどういう目で見て、その指示を仰ぎながらやっていってくれるのか楽しみです。尹監督の現役時代のプレーはセレッソのサポーターも覚えているでしょう。もちろん監督としての指揮となると違ってくるかもしれませんが、イマジネーションという点でも、ピッチでどういうものを見せてくれるのか、期待する声が多いと思います。
小田 尹監督は、今でも相当巧いらしいですからね。
--現役時代はいわゆるファンタジスタで、フィジカルに長けたそれまでの韓国人選手とは一線を画すタイプでした。J1リーグ1stステージで2位になった2000年の大躍進を中盤で支え、森島寛晃、西澤明訓、盧廷潤(ノ ジョンユン)、西谷正也という攻撃的な選手を生かすパスワークが魅力でした。
和田 尹さんがいた頃のセレッソのサッカーは見ていて楽しかったです。あの頃のセレッソのイメージをまた作ってくださったら、すごくうれしいです。尹さんもプレーしていて一番楽しかったのはセレッソ時代だったのではないかと思うんですよ。ほかのクラブでは、なかなかチームカラーが合わなかったかなという印象でした。セレッソが一番輝いていた黄金期をご存じで、一方でセレッソがJ2に降格(2002年)し、韓国代表では日韓ワールドカップのメンバーに選出されるも試合出場がかなわなかったという悔しい思いをされた経験を持つ尹さんが、セレッソで「尹カラー」を出してくださるのではと期待しています。
--レジェンドとなった選手が監督として帰ってくるというのは、クラブとしてすばらしいことだと感じます。その第1号が尹監督というのは意外でもありましたが、セレッソも歴史を重ねて、そういう時代になったのかと思うと感慨深いです。
和田 これをきっかけに、いずれ森島さんたちが監督をされるようになっていく、そういう流れができていくといいですよね。セレッソは長くサポーターをされている方々が多いですから。
小田 どんな練習をされるのか、どんなサッカーになるのか、興味深いですね。
前田 2016シーズンに築いたコミュニケーションの良さをうまく引き継いで、尹さんらしい厳しさも加えつつ、尹さんのセレッソを作っていただきたいですね。
vol.10(最終回)に続く
【出席いただいた皆さん】
■前田敏勝さん(左)
Jリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」のセレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍を続けている。
■和田りつ子さん(中)
元女子1級審判で、スカパー! の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
■小田尚史さん(右)
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム・アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。チーム愛に満ちた熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
■進行・まとめ
横井素子(まいど!セレッソ~マイセレ~編集担当)
2016年12月15日実施