まいど!セレッソ~マイセレ~のオフ恒例企画「選手別レビュー」。
各選手の2018年がどんな1年だったのか、番記者・小田尚史さんが綴ります。


キム ジンヒョンの2018年

 J1リーグ戦全34試合にフルタイム出場。今季も桜の守護神としてゴールマウスに立ち続けた。
 チームは昨季のリーグ3位から7位に順位を落としたが、総失点数は43点から38点に減っている。第19節・ヴィッセル神戸戦からは、リーグ戦14試合連続で複数失点なしを記録した守備陣において、驚異的な反応でFWとの1対1を止めるなど、最後尾で奮闘したキム ジンヒョンが果たした役割も大きかった。第27節・湘南ベルマーレ戦 では、0-1で負けている後半アディショナルタイム、相手のカウンターからの決定機を足で阻止。試合終了直前の丸橋祐介のCKでは相手ゴール前まで上がり、混戦になったところでシュート。これはGKに防がれたが、こぼれ球をソウザが押し込み、土壇場で同点に追いつく“アシスト”を決めたシーンも印象深い。
 また、今年は韓国代表としても、2018FIFAワールドカップロシアに臨むメンバーに選出され、「夢にまで見た」ワールドカップ行きを果たした。ワールドカップ後も継続して招集されており、チームと代表を往復しつつ、しっかりとコンディションを保ち続けた1年となった。

ライターからひとこと

 改修される現キンチョウスタジアムで印象に残っている試合を聞いたときのこと。
「僕は良かった試合のことはあまり覚えていないんですよね。悪かった試合や、自分がミスをした試合のことはハッキリ覚えているんですけど(苦笑)」と頭をかきながら答えてくれたシーンが印象的だった。妥協せず、常に高みを目指し続ける姿勢こそ、成長への原動力なのだろう。
 加入から10年が経過。年々、チームについて語る言葉にも重みが増している。特にシーズン最終節、横浜F・マリノス戦後のコメント は深く胸に染み渡った。個性あふれる選手が揃うセレッソ大阪において、キャプテンシーを備えている選手の1人であることは間違いない。

文・小田尚史

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