2試合連続ドローで見つかった修正点
この経験を今後に生かす
セレッソ歴は短くない。2005年にFCみやぎバルセロナユースから加入し、V・ファーレン長崎（07年6月）に半年間期限付き移籍。その後セレッソに戻り、11年7月から今度は大分トリニータへ期限付き移籍、翌年には完全移籍した。
決意を新たにセレッソに「復帰」したのは、昨シーズンのこと。様々な経験を積み、今ゴールマウスを守る心境に迫った。
■ここ2試合（水戸戦、徳島戦）で2引き分け。チームとしては、どんなふうに受け止めていますか？
「もちろん、気持ちよく勝てればベストだというのはありますが、そんなにうまくいかないということもわかっています。2引き分けが、あとから『負けないでよかった』と思えるようにしたいですし、そう言えるようにするためには、今からの結果次第です。この2試合でいろいろな修正点が出たので、次につなげたいと思います」
■どちらも、逃げ切れそうなところで追いつかれての引き分けでした。気持ち的にダメージはありませんか？
「試合が終わった直後は確かにありますけど、結果的には追いつこうが追いつかれようが勝点1は1。反省点が出たというだけであって、ダメージは別にないと思います。今後、もっとプレッシャーがかかったときに、この経験を生かせるようにしたいというところです」
■前節の徳島戦の修正点・反省点について、どう考えますか？
「細かいところを言ったらきりがないのですが、大きなところを言うと、後半に入ってからもっと自分たちでボールを握って主導権を握れたら…と。少し相手の攻撃を受けすぎたかなというところもあるし、（失点が）セットプレーという注意すべき点だったので、もっと自分を含めていろいろな選手がすべきアクションがあったかなあと感じます。それで結果がどうなったかはわからないけれど、こう改善しようとか、次はこうしようというのはあるかなと思います」
■試合後、チーム内では話し合いはありましたか？
「もちろん。近いポジションの選手を含めて、全員でありました。今週はそういうところを踏まえてトレーニングをすることになると思いますし、厳しさというのは今日の練習でも出ていたと思います。コミュニケーションを取りながら意思を統一して、次の大事な試合に向かいたいです」
■徳島戦では、後半のスタートからシステムを変更して3バックになりました。
「ゲームのなかで、大宮戦でも残り15分というところで変更したことがありました。あれだけ早い段階でシステムチェンジしたのは徳島戦が初めてだったんですけど、後半の入りは別に悪くなかったですし、もう少しゲームをコントロールできていれば問題なかったかなと思います」
■勝ちきれないチームにもどかしさを感じるサポーターも多いと思います。チームの雰囲気はどうですか？
「（徳島戦で）3連戦が終わって、1日オフをはさんで練習再開しました。ここで一喜一憂するというのが一番よくない、大事なのはシーズン最後の結果だと思います。チームの雰囲気としては今まで通りですね。気持ち的には連勝しているほうが楽な部分はありますけど、大きな崩れや気持ちの変化とかはなく、前を向いてしっかりやっていけると思います」
■丹野選手は、昨シーズンからセレッソに復帰しました。一度は完全移籍で離れたクラブに戻ってきたというのは、どういう心境でしたか？
「大分へは最初は期限付き移籍で行って、そこで出場機会をもらって、J1昇格もJ2降格も味わいました。それを経て、またセレッソからチャンスをもらったので、勝負したいという気持ちもあって、帰ってきました。でも、昨シーズンは個人的にもそんなにいいシーズンではなかったですし、チームとしても同じでした。そういう悔しさもあり、もっとやれるんだという思いを持って今シーズンはスタートしたので、いいコンディションでいい準備ができていました」
■セレッソにもう一度誘われた、というのは大きかったですか？
「セレッソには（キム）ジンヒョンがいて…という形でしたが、逆にセレッソじゃなかったら、絶対的な守護神がいるクラブには行きづらかったというのはありました。ジンヒョンがいても、どうにかセレッソで、爪あとじゃないですけど、自分の成果を出したいという思いはありました」
■昨シーズンはチャンスがあまり巡ってこず、チームも降格してしまいました。相当悔しかったのでは？
「昨シーズン最初のころはベンチにも入れない状況で、そのなかでチームはACLとリーグ戦を戦う過密日程でした。メンバー外になって、若い（秋山）大地や（岡田）武瑠たちと残って練習をするということも結構ありました。チームがうまくいかないなかで、直接的にチームに貢献することができなかったもどかしさはありました。そこはやっぱり悔しいし、悔やまれます」
構成・文 横井素子
インタビュー：9月30日
