5月17日(日)2015明治安田生命J2リーグ第14節
セレッソ大阪 1-2 V・ファーレン長崎 (15:04/金鳥スタ/10,900人)
試合写真・コメントなど
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42試合の長丁場である明治安田生命J2リーグ戦で、ちょうどシーズンの3分の1となった第14節、セレッソ大阪はV・ファーレン長崎とホームのキンチョウスタジアムで対戦し、1-2と競り負けた。これで6勝3分5敗となったセレッソは、勝点を21から伸ばせず。首位磐田(勝点29)との差は8に、2位から4位まで勝点28で並ぶジェフユナイテッド千葉、ツエーゲン金沢、大宮アルディージャとの差も7に、それぞれ広がった。さらには、J1昇格プレーオフ出場圏内である6位長崎(勝点25)とも4差となった。

これで今季ホームゲームでは4敗目。そのうち、今回を含めた3度が、1-1と拮抗していたなかで80分以降の試合終盤に失点を喫したもの。それらすべてが、相手左サイド、セレッソから見て右サイドからクロスを上げられ、ヘディングで押し込まれた形。この長崎戦では、アディショナルタイムの90+5分、長崎MF梶川諒太の飛び込みに対応できなかった。さらにいえば、37分、前セレッソのMF黒木聖仁にヘッドで先手を取られたときも、第11節アビスパ福岡戦同様、CKから安易に失点したもの。まるで、これまでのデジャヴを見ているかのような敗戦だった。

「あまり多くを語れない。なぜならば同じことを繰り返しているからだ。相手チームに対して安易にボールを与えてしまっている、失点してしまっている、そこをまた繰り返してしまった」。試合後、開口一番、パウロ アウトゥオリ監督もコメントしたとおり、セレッソはまたも悪夢を繰り返した。

攻撃面でも、得点は61分、フォルランの直接FKからの1発のみ。今季6度目となったフォルラン、カカウ、パブロが先発で前線に顔を揃えたが機能しきれず。後半開始から玉田圭司が入ったことで、ようやく攻撃にアクセントができ、63分に酒本憲幸、80分に楠神順平が加わったことで、ドリブルなどでの変化も付けられるようになり、攻撃のバリエーションも増したが、玉田、長谷川アーリアジャスール、酒本らに訪れたシュート機会では、いずれも枠を捉えきれない。

「いい時間帯があったから、そこで追加点を取れればよかったが、なかなかうまくいかなかった」と嘆いたのは、玉田。ただ、それは裏を返せば「自分たちとしても、あまりいい形でボールを取れなかったから、こういう展開になってしまった」と経験豊富な20番も言うように、攻守のバランスがうまくいかなかったことも影響しているのは明白だ。「今日の試合に限らず、自分たちで難しくしてしまっているところはあるし。もったいない…」。その玉田の言葉が、すべてを象徴していた。

0-1で折り返した前半終了時には、サポーターからの大きなブーイングが響いた。後半土壇場で失点した瞬間やタイムアップのときには、スタジアムはアウェイ長崎サポーター以外、声を失った。ブーイングさえも起きない。観衆は即座に立ち上がり、出口へ向かった。どんどん薄れていく関心。セレッソのクラブ、チーム、イレブン、スタッフにとって、こんな屈辱的なことはない。

「サポーターにはとても大事にしてもらっているし、ホームですごいサポートをしてくれているが、勝利を捧げることができないというのが、とても悔しい」と、フォルラン。「ホームで勝てないという悪い流れがあるので、そこを断ち切れるように、強いメンタルを持って、みんなでもう1回やっていこうと思う」と山下達也も言うように、1年でのJ1昇格を達成するのならば、ここから、サポーターをはじめとする、セレッソに関わるすべての人たちの信頼を取り戻さなければいけない。もう、本当に、これ以上の失態は許されない。

試合後のパウロ・アウトゥオリ監督(セレッソ)記者会見コメント
試合後のセレッソ選手コメント