5月24日(日)2015明治安田生命J2リーグ第15節
ロアッソ熊本 vs セレッソ大阪 (16:00KICK OFF/うまスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 長丁場の明治安田生命J2リーグも、前節を終えた段階でちょうど3分の1を終えた。1年でのJ1復帰を目指すセレッソ大阪は、勝点21の8位。ここまで思うように勝点を積み重ねることができていない。ここ6試合も3勝3敗と勝ったり負けたりを繰り返し、波に乗り切れないでいる。「メンタル的に去年の傷が閉じていないと言える部分もあるが、それは勝ち続けることでしか癒えない」と話すのは、パウロ・アウトゥオリ監督。今節のロアッソ熊本戦も、セレッソは勝利のみを求める。

 攻撃と守備は表裏一体であり、どちらか一方を切り取って論じることはできないが、敢えて“攻撃は”という言い方をすれば、ここまでの25得点はリーグ最多であり、現在のリーグ得点王であるフォルランはすでに10点の大台に乗せている。今週の19日には36歳の誕生日も迎えたが、「状態はとてもいい。チームのためにやれるだけやりたい。J1という目標に到達するために、今の不安定なままではいけない。これから先は、ずっと勝っていかないといけない」と充実した表情で話すなど、頼もしさを感じさせる。セットプレーからの失点も多い相手に対し、彼のキックは今節も大きな武器となるだろう。初見参となる熊本の地で、フォルランがどのようなプレーを見せるのか。セレッソサポーターのみならず、熊本のファンにとっても、楽しみの一つかも知れない。

 一方で、守備については、「映像で失点シーンを見返しても、人数は足りているのにやられている場面が多い」と山下達也が嘆くように、90分のどこかで集中力を切らしてしまったり、DFラインが揃わない隙を相手に突かれてしまったりと、無失点で終える試合が少ない。前からのプレスや中盤でのフィルターといった、チーム全体での守備が重要であることは言うまでもないが、「冷静に失点場面を振り返った上で、修正していくことが大事」(アウトゥオリ監督)と、今週はDFラインのみでの練習も繰り返すなど、チームとして失点を減らすことに力を注ぐ様子も伝わってきた。「(90分を完ぺきに守ることは)難しいことは難しいけど、監督にも何も言われないように、しっかりと守りたい」と山下は言葉に力を込める。

 開幕前は35人という大所帯でスタートしたセレッソだが、現状、負傷者が増えているため、紅白戦を行うにも人数ギリギリといった状態だが、「恐れる必要はない。自信を持って送り出せるメンバーは揃っている」とアウトゥオリ監督。キャプテンの山口蛍は、「チーム一人ひとりが自己犠牲の気持ちを持って、やるべきことをやる」ことを今後、浮上していくためのカギに挙げる。リーグはまだ3分の2が残されている。序盤に出遅れたセレッソにも巻き返しのチャンスは、ある。反撃の狼煙をあげるためにも、まずは目の前の一戦に全力を注ぐ。

文・小田尚史

相手チーム情報:お久しぶりです熊本です。踏ん張るためにも勝点3、獲りにいきます