9月9日(土)2017明治安田生命J1リーグ第25節
FC東京 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/味スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 先週から今週にかけて、世界各地でFIFAワールドカップロシア大会の最終予選が行われ、セレッソ大阪から山口蛍と杉本健勇が選ばれた日本代表は、8月31日にオーストラリア代表に勝利し、見事6大会連続6回目となるワールドカップ出場権を手にした。また、韓国代表も「ギリギリ」(キム ジンヒョン)の戦いを乗り越え、Aグループ2位に入り、ワールドカップ本大会出場を決めた。

 この間、JリーグはYBCルヴァンカップの準々決勝が行われ、セレッソは昨季のルヴァンカップ王者・浦和レッズを相手に2戦合計2-2で終え、アウェイゴールの差で上回り、クラブ史上初となるリーグカップ戦ベスト4進出を決めた。第1戦と第2戦でメンバーを入れ替えながら戦った準々決勝。「ルヴァンカップでベスト4に進出できたことは、チーム全体の力。全員で戦っていくことが最確認できた」と山村和也も話すように、チームの総合力でベスト4を掴み取ったことで、今週の練習場には、これまでにも増して良好な空気が流れていた。

 7日にチームに合流し、今節のFC東京戦への出場にも意欲を燃やす山口蛍も、「ワールドカップ出場も決めたので、ここからはチームのことを考えて戦いたい。ルヴァンカップも(準々決勝を)突破してくれたし、(キム)ジンヒョンも韓国代表で(ワールドカップ出場を)決めた。いい流れで来ているので、その流れのまま今節に臨みたい」と話す。
 ワールドカップ最終予選が終わった後、「すぐにチーム(セレッソ)のことが頭にあった」と話したのは、キム ジンヒョン。「ここから、チームの状況を変えていかないといけない。今年こそ、という思いがある」と今季に懸ける思いの強さを訴えた。

 リーグ戦の前節 では、勝点4差で首位を走る鹿島アントラーズとの頂上決戦に挑んだセレッソ。前半からチャンスを作ると、相手に決定機らしい決定機を与えないすばらしい試合を展開しながら、終了間際の88分、鹿島に一瞬の隙を突かれて失点。悔しい敗戦を喫した。この試合を含め、リーグ戦では直近の3試合は勝利がない(1分2敗)だけに、流れを変えるために、上位陣に食らついていくために、今節の持つ重要性はチームの誰もが理解している。

 対するFC東京は、現在公式戦4連敗中で、主力に多数の離脱者が出ている(相手チーム情報 )ということだが、「能力が高い選手はいる。簡単に勝負できる、与しやすい相手だと思って試合に入ってはいけない」と尹晶煥監督も引き締めるように、大久保嘉人、ピーター ウタカ、前田遼一という歴代のJリーグ得点王経験者に加えて、スピードが武器の永井謙佑やスタミナ自慢の東慶悟など、攻撃陣はタレント揃い。ホームで対戦した第17節 でも、相手DFの縦パスに対して永井に抜け出され、ピーター ウタカに先制点を決められただけに、永井に突破を許した山下達也も「前回も個の力でやられた。強力なFWに対しては、1人で無理な時は複数で対応することが必要」だと話す。ルヴァンカップ準々決勝・川崎F戦での敗戦を受け、気持ちを入れ直してくることが予想されるFC東京だけに、セレッソとしては試合終了の笛が鳴るまで集中力を切らしてはならない、タフな試合になるだろう。

 ホームのFC東京戦(第17節)では、FC東京から昨季加入した松田陸、そして今季から期限付きで加入した水沼宏太の活躍が光った。今回は、FC東京のホーム・味の素スタジアムに乗り込む形になる。
「今回もしっかり勝ちたい」と松田が短い言葉に決意を込めれば、水沼も「もちろん、内に秘めた特別な思いはあるけど、それよりも今、僕らはリーグ戦で勝てていないので、相手がFC東京だからということに関係なく、勝たないといけない。勝点3を取るために必死でピッチを走ります」とフォア・ザ・チームを強調した。

 8月のリーグ戦は1勝に終わり、順位も5位に下げたセレッソだが、ルヴァンカップ準決勝進出という成果も追い風に、9月はリーグ戦でも勝利を重ねていきたい。その初戦となる今節。再び上位に食い込んでいくための勝点3を、必ずやこの手に掴みたい。

文・小田尚史