3月6日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 第1節
大分トリニータ - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/昭和電ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 JリーグYBCルヴァンカップと言えば、2年前の記憶が鮮やかに蘇る。セレッソ大阪にとってクラブ初のタイトル獲得となった、歓喜に包まれた大会だ。その一方で、準々決勝からの出場となった昨季は、湘南ベルマーレを相手に2戦合計スコア2-5で敗れ、連覇の夢は潰えた。直近の2年間で味わった感動と悔しさ。そういった記憶とともに、“ロティーナ・セレッソ”として初めて挑む今季はどのようなドラマが描かれるか。新たな戦いが始まる。

 その初戦は、アウェイでの大分トリニータ戦。智将・片野坂知宏監督に率いられ、チームスタイルも成熟している大分は、しっかりとボールを握り、前線でのコンビネーションを駆使した攻撃を仕掛けてくる。東京ヴェルディを率いた2017、18年にJ2リーグ戦で対戦経験のあるロティーナ監督も、「明確なプレーアイディアを持っている監督が継続して指揮していることが強み」と大分の印象を語る。戦術面に長けた指揮官同士、どういった試合の進め方をしていくか、興味は尽きない。

 開幕戦で鹿島アントラーズに勝利し、第2節で松本山雅FCに敗れた大分と同様、セレッソも開幕戦はヴィッセル神戸に勝利 したが、第2節は敵地で名古屋グランパスに敗れ 、この試合が仕切り直しとなる。中2日でJ1リーグの第3節・サンフレッチェ広島戦(3/9・土・ヤンマー)が控えていることもあり、今回の大分戦では、これまでのリーグ戦で出場機会がない(少ない)選手たちがプレーするチャンスを得ることになりそうだ。

 2年前の優勝に貢献し、かつて大分でもプレーした経験のある丹野研太は、「リーグ戦に出ていない選手も、いいものを持った選手が揃っている。2年前のルヴァンカップも、そういった選手たちが力を発揮して1つずつ積み重ねていくことで、最後にああいう景色も見ることができた。今年も1試合1試合をしっかり戦っていきたい」と話す。

 また、ルヴァンカップと言えば、将来性のある若手にとっても、大きなチャンスとなる大会。試合前日、「瀬古(歩夢)のプレーを見ることもできる機会」とロティーナ監督から直々に名前を挙げられた背番号15にとっては、トップチームに食い込んでいく大きなチャンス。
「出場できれば、チャンスをものにしたいし、そこからまたリーグ戦にも関わっていくことが理想。監督は、後ろからボールを保持すること、自分たちでボールを握る時間を長くしようというテーマでやっているので、自分の良さを積極的に出して、チャレンジしていきたい」とこの試合に向けた意気込みを話した瀬古。17年の同大会でも2種登録としてプレーした経験があるだけに、浮足立つ姿は見られないが、言葉の中に明確な意志を込めた。

 直近のリーグ戦での敗戦を払拭するため、チーム全体の底上げにつなげるため、タイトルという大きな頂きに向かって突き進む最初の一戦は、セレッソにとって大きな意味を持つ試合になる。

文・小田尚史