11月29日(日)2015 J1昇格プレーオフ準決勝
セレッソ大阪 - 愛媛FC (15:30KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 明治安田生命J2リーグにて、J1自動昇格圏内の2位以内には及ばず、4位という悔しい結果に終わったセレッソ大阪。だがしかし、J1昇格のもう1つの座を懸けた戦いに挑めるチャンスが、桜色の戦士たちには残されている。それが、J1昇格プレーオフ。3位から6位までの4チームの間で争われる一発勝負のトーナメント戦、その第1戦となる準決勝で、セレッソは5位の愛媛FCと対戦する。

 11月23日のJ2第42節、東京ヴェルディとのホームゲーム で、茂庭照幸の2得点により、2-0と勝利。実に6戦ぶりの白星を得て、レギュラーシーズンを締めくくったセレッソ。この1勝により、4位を確定させたことで、プレーオフ準決勝ではホーム、ヤンマースタジアム長居で試合ができることになった。さらに、大会のレギュレーションにより、90分での戦いで決着がつかなかったときには、リーグ戦の順位が高いチームのほうが勝ち上がるということになっているため、この一戦でセレッソは引き分け以上で決勝進出の資格を有する。

 しかし、「勝ちにこだわってやりたい」と田代有三も言うように、最初から守りに入るような意識は、今のセレッソには毛頭ない。過去のJ1昇格プレーオフでは順位の低いチームが高いチームに勝利してJ1に上がるということが繰り返されており、『失うモノは何もない』という思いでやってくる相手に、受けに回ったチームは、必ずといっていいほど敗れている。その教訓は肝に銘じて戦わなければいけない。「(順位で)立ち位置を上にするということ自体がダメ。実際に(愛媛に)やられちゃっているから。それが現実。そこから這い上がらないといけない」と大熊清監督も気を引き締めるように、セレッソは今季、愛媛に苦戦を強いられ、実際に第27節 ではアウェイで1-2と逆転負けしている過去がある。だからこそ「挑戦者」として、リベンジを果たさなければいけない。

 ただし、当時と今とではセレッソの状況も違う。シーズン中では、「球際(の強さや激しさ)だったり、この間のヴェルディ戦はまあまあだったけど、(攻守の)切り替え(の速さ)だったり、サッカーで絶対に抜けちゃ行けないところがファジーになっているところもあったと思う」と大熊監督も述べるような反省点もチームにはあった。それでも、その『サッカーの本質』の部分をここに来て取り戻し、関口訓充をはじめ全体がハードワークできているなか、このJ1昇格プレーオフに臨むにあたって、チームは再び戦える集団になりつつある。

 この1週間も充実したトレーニングを実施。攻守に活発な動きも目立ち、イレブンの気合いもすこぶる高い。「チームとしてやれることはやったし、それをピッチで出せるどうかというところだと思う」(玉田圭司)、「練習でも、細部までこだわって、相手をリスペクトしてやれている部分がすごく多い。夏には愛媛に負けているが、そういう相手とやるなか、どれだけ僕らがJ1に向けてチャレンジできるか。そういう(戦う)雰囲気はみんなできてきている」(橋本英郎)と、来るべき決戦に向けて準備は整えた。

 なによりも、桜の歴史を築いてきた聖地・長居での試合。セレッソサポーターの大きな後押しのあるこのホームゲームでは「絶対に負けられない」(丸橋祐介)。そして、「自分たちの力を出し切り、サポーターの力も借りながら、セレッソ全体で勝てるようにしたい」と、扇原貴宏。今こそセレッソに関わるすべての人が一丸となって、J1昇格への最後のチャレンジとなる舞台に堂々と臨む。何が何でも勝ち上がる。

文・前田敏勝

試合前日の監督・選手コメント  
相手チーム情報:サプライズ躍進で勢いに乗る愛媛。挑戦者たる勇敢さでセレッソに挑む